約 774,123 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3973.html
信長「おのれ光秀め・・・血迷いおったか」 森蘭丸「殿、敵の軍勢がすぐ傍まで来ております。早く奥へ!」 信長「この炎の中でどこを行こうと変わりはあるまい・・・」 森蘭丸「こんな時に鬼道丸は何処へ・・・」 兵士「もらったあ!」 森蘭丸「くっ・・はあっ!!」 ズシュッ 兵士「ぐああ・・・あ・・・」 ドサッ 森蘭丸「殿・・・」 信長「!」 光秀「くっくっくっ・・・」 信長「光秀…我打ち取りし処で貴様如きが天下を取ろう等無謀の極。何故裏切る?」 光秀「私こそ天下人に相応しい。己が今まで行ってきた残虐と暴虐の数々…死して償え!」 信長「・・・・・」 とある城下町の宿場 キョン「いいじゃないかいいじゃないか」 長門「だめ・・・」 キョン「頼むよ長門一発だけ」 長門「だめ・・・」 キョン「ほーら下着が見えちゃうぞ?」 長門「だ・・・め・・・」 ハルヒ「何をしてるの?」 キョン「ゲッ!ハルヒ」 ハルヒ「こんなことして…覚悟は出来てるんでしょうねキョン?」 キョン「逃げるが勝ちっ」 ハルヒ「あコラ待てー!!このエロキョン!!!」 ハルヒ「あたしが毎日奉仕してあげてるでしょ?それじゃ不満!?」 キョン「い、いいえ・・」 ハルヒ「飽きたの?ねえ飽きたの?・・・・飽きたのね(グスン)」 キョン「そ、そういう訳じゃ・・・」 ハルヒ「もういいわ、ここで別れましょ」 キョン「そ、そんな・・・ハルヒ・・・」 ハルヒ「さいってーよ!!」 タタタタタタタタッ キョン「ああ・・・これからどうしよう・・」 女将「あらあら痴話喧嘩ですこと?」 キョン「いえ、旅の仲間なのですが・・・・」 女将「あら旅をされているの?」 キョン「ええ、目標がありましてね」 女将「町の外は危なくて大変でしょうに」 キョン「そうなんですよ。甲賀者や山賊・・・野武士なんかにも良く襲われたりしますからね。今ウチでは唯一の治療師なんで まあ好戦的ですけど」 女将「あらそれは大変ねえ早く謝っていらっしゃいな」 キョン「しかし・・・」 女将「大切なお仲間がいなくなってもいいの?」 キョン「・・・そうですね探してきます!」 女将「フフフ。いってらっしゃいませ」 とりあえず早く見つけないと・・・まさか町の外には出てないだろうな? 面倒かけやがって全く・・・ 古泉「お急ぎのところ失礼します」 こんな急いでいるところを話しかけるな なんだその爽やか100%のイケメン面は キョン「なんだお前は?今急いでいるんだ」 古泉「古泉一樹と申します。何かお探しものでしょうか?」 キョン「ああそうだ。トビっきりでかいもんをな」 古泉「よろしければ御教え致しますよ?」 …今なんと? キョン「・・・ハルヒがどこにいるか分かるのか?」 爽やかなイケメン面は一枚の薄紙を取り出すとそれに息を吹きかけた すると見る見る内に薄紙は蝶の形を帯び、ひらひらと飛び始めた 古泉「あれの後をつけていけば自ずと探し物に出会えるでしょう。では失礼します」 キョン「あ、ああサンキューな」 式神って奴か?初めて見るぜ なんて事を思いながらとりあえず俺は蝶の後を追ってみる ゆっくりと進む蝶に暫くついて行くと 一軒のお茶屋を前にしてその蝶はみるみる内に薄紙へと戻っちまった キョン「なんて書いてあるんだこの紙・・・読めん、さっぱりだ」 ???「や、やめてくださいですぅ~」 !? なんだこの天使のようなお声は・・・ ハルヒ「いいじゃないの~ちょっとぐらい触らせなさいよ~」 ・・・・お前も一緒か ???「ふえええええええ」 ハルヒ「覚悟なさい!ふふふ・・・」 キョン「一体こんなところで何をしているんだお前は」 ハルヒ「何って見なさいよ!この子すっごく可愛いいでしょ!?しかも何この巨乳? あたしより大きいじゃなのこのこのぉ!!」もみもみ ???「ひゃあああああ!?だめですぅ!!らめええええええ」 キョン「嫌がっているだろう・・・さっさと離してやれ」 ハルヒ「ふん!こんなとこまで追いかけてきて一体何の用よ変態!スケベ!浮気者!!」 キョン「あー…なんだ、さっきは悪かった。つい魔が差しちまったんだ」 ハルヒ「・・・・」 キョン「だからその、機嫌直してくれ。お前がいなくなると色々困るんだ」 ハルヒ「…仕方ないわね。・・・・許してあげるわよ馬鹿キョン」 ???「あ、あのぅ…」 キョン「ああ、さっきはコイツが失礼な事を…どうもすみませんでした」 みくる「い、いえ良いんですっ。あたしは朝比奈みくるっていいます どうぞみくるちゃんとお呼び下さい」(にこっ) キョン(ああああああかわいいぜ)「えっと俺は・・・」 ハルヒ「アタシは涼宮ハルヒ!こっちはキョンよ」 みくる「涼宮さんにキョンくんですね?よろしくお願いします」 ハルヒ「もう一人連れがいるの。ユキって言うんだけど・・・また今度連れてくるわね」 みくる「わかりましたぁ 何か食べていかれますかぁ?」 キョン「ええと・・・じゃあ三食団子を二本」 みくる「少々お待ちくださぁ~い」 ハルヒ「たっだいまー!」 キョン「ここは宿屋だ。もう何日も世話になっているからと言ってただいまはよせ」 長門「…おかえり」 長門さん…あなたもですか キョン「昼間は悪かったな」 長門「いい…それよりあと何日ぐらいこの城下町に滞在するつもり?」 キョン「5~6日ってところか。この町は色々あって面白いな それにお前の脚の怪我だってもう少し様子を見るべきだ」 長門「…そう」 前の洞窟での戦いでコイツが身を挺して俺たちを庇ってくれなきゃ、今頃は全滅か全員大怪我だったろうしな 全くコイツには頭が一向にあがらないね 女将「あらいらっしゃい」 古泉「2~3日ほど泊めて頂きたく伺いました」 女将「あらどうぞどうぞ・・・あら?部屋がいっぱいだわ。他のお客さんと相部屋でも宜しいかしら?」 古泉「ええ、構いませんよ…おや?」 キョン「ん?ああさっきの…あの時は助かったぜ。ありがとな」 古泉「いえいえ、そんな大層な事はしていませんよ」 女将「あら二人は知り合い?丁度いいわ貴方の部屋に入れてあげてちょうだい」 なんですとっ!? …まあ仕方ないか こいつには借りもあるしな 古泉「どうも申し訳御座いません」 キョン「別にいい。それより酒の相手になってくれ」 古泉「もちろんですとも」 キョン「そういえばさっき式神を使っていたな。するとお前は道士なのか?」 古泉「如何にもその通りです。僕は陰陽師・土御門晴友の家系に当たります」 キョン「土御門晴友ってあの天才と呼ばれた安部晴明の直系か?」 古泉「大正解です。良く知っていらっしゃいますね」 キョン「呪術の天才と呼ばれた晴明を知らない奴なんていないだろうよ」 古泉「ハハハ。そう言われてみればそうですね・・・時に貴方は忍ですね?」 キョン「・・・・なぜそう思う?」 古泉「忍には独特の匂いと癖があります。貴方は上手く隠しているようですが・・・ 何故かわかってしまいました」 キョン「…ああ正解だ。だが甲賀者や風魔衆みたいな荒れてる奴らとは違うぜ。俺は伊賀出身だ」 ガラッ ハルヒ「さっきから何ブツブツ言ってんのよキョン」 キョン「勝手に扉を開けるな」 古泉「どうも、初めまして」 ハルヒ「あらお客さん?」 キョン「ああ、相部屋になった」 ハルヒ「ふーん」 キョン「中々面白いぞ。こいつ安部晴明の直系らしい」 ハルヒ「え?てことは陰陽師なの!?」 キョン「そうだ。今酒を飲みながら色々話をしていたところだ」 ハルヒ「へー・・・・キョン、あんたみたいなマヌケ面と違って中々いい男じゃない」 キョン「悪かったなマヌケ面で」 古泉「こちらの方は?」 キョン「ああこいt ハルヒ「涼宮ハルヒ!!拳闘治療師よ。あ、刀術も使うからね」 古泉「万能治療師…と言う事で大丈夫でしょうか?」 キョン「ああ、それでいいと思うぞ」 ハルヒ「ねえアンタ!あたし達と一緒に旅しない?」 キョン「おいハルヒ、向こうにも都合ってもんが」 古泉「何か面白そうですね。詳しく話を聞かせて頂けませんか?」 ・・・・はぁ、やれやれ 涼宮ハルヒの忍劇2
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3874.html
「みくるちゃ~ん、また大きくなったんじゃないの~?」 「ふ、ふぇ~!やめてくださぁ~い!」 あたしはみくるちゃんの背後にまわって、胸をつかんだ。 う~んいつ触っても最高の触りごこちね!ちょっとうらやましいわ。 「こらやめろハルヒ。嫌がってるじゃないか。」 そんなあたし達のやり取りを見て、キョンは目を背けながらあたしに注意する。 その向かいに座ってる古泉君は苦笑い。有希は目も向けずに読書。 いたっていつも通りの光景。不思議なことなんて何1つ無い。 だけどあたしはそれでもいいと思ってる。今では不思議なことよりも、SOS団のみんなと過ごすことが1番楽しい。 だけど団長がそんなこと言ったらみんなに示しがつかないから、不思議は探しつづけるけどね! パタン。 有希が本を閉じた。時計を見るともう6時前。もうすぐ学校が閉まっちゃう。 あたし達は荷物をまとめて、帰る支度をする。 何よりも楽しみな時間である団活の時間が終わる。途中まではみんなと一緒に帰るけど、それぞれが別々の道へと別れていく。 「じゃあなハルヒ。また明日。」 そして最後にキョンと別れて、あたしは一人になる。 1日で1番楽しい時間は終わりを告げて、ここからは1日で1番嫌いな時間が始まる。 またあの家に帰らなきゃいけないんだ……そう思うとさっきまでウキウキしていた心が一気に沈んでいく。 家についた。玄関の明かりは……消えている。 ドアを開ける。部屋の中は真っ暗。 「ただいま……」 帰りのあいさつをしてみる。だけど帰ってくる声は、無い。 ああ、今日もか……分かってはいたけど、やっぱり気分は沈んじゃう。 家には誰もいない。お父さんもお母さんも、あたしを出迎えてはくれない。 別に死別してるわけでも別居してるわけでもないけど、二人とも仕事で帰ってくるのは日付を超えてからがほとんどだ。 休日も仕事に出掛けてるみたいだし、朝も起きた時にはもう仕事に行ってる。 あたしはほとんど親と会話することがない。こんな生活が、もう3年近く続いてる。 テーブルの上には、500円玉が置いてあった。今日も、これで夕飯を済ませろということらしい。 これが普通の家なら、机の上にあるのは親が作ったおいしそうな夕飯なんだろうな。 だけどあたしのところにあるのは、無機質な硬貨1枚。 ……まあ、もう慣れっこだけどね。あたしはもう1度家を出た。コンビニのお弁当でも買おう…… コンビニでお弁当を買った後、もうすっかり寒くなった夜道を、あたしは一人で歩いていた。 寒いのは身体だけじゃないのかもしれないけど。 ……やだなあ。なんでこんなにネガティブになっちゃうんだろう。 元気いっぱいで、何事にもポジティブ。それがSOS団でのあたしなのに、キャラ違うわよ。 こんな姿団員には見せられな…… 「あ、あれは……」 前方に見覚えのある人影が見えた。……キョンだ! キョンもこっちに気付いたらしい。あたしの方に向かってくる。 「よお、ハルヒ、また会ったな。」 理由は無かった。悪いことをしてるわけでも無かった。 それでもあたしは、気付いたらその場から逃げ出していた。 「お、おい!待てよ!」 キョンが追い掛けてくる。やだ、来ないでよ。 あたしは元気いっぱいでいつも強気の団長でなくちゃならないの。こんな弱い姿、あんたには見せられない。 いやキョンだけじゃない、みくるちゃんにも有希にも古泉君にも、こんな姿見せちゃダメなの! でも限界だった。いくらあたしが運動神経いいからと言っても女。キョンは男。 先にバテたのはあたしの方で、キョンに追い付かれてしまった。 「な、なんでキョン、追いかけてくるのよ……」 「そりゃこっちのセリフだ、なんで逃げるんだよ……」 「理由なんてないわよ、ただ……なんとなくよ。」 「おいおい、なんとなくで逃げるほど俺はお前に嫌われてるのか?」 違う。そんなこと無い。でもあたしはなんて言い訳すればいいのか分からずに黙ってしまった。 そしてキョンがトドメの一言を言った。 「別にやましいことしてたワケでもないだろ。それ弁当だろ?普通じゃないか。」 もうダメだ。あたしの抑えこんでたネガティブな感情が……爆発した。 「そうよ!悪いの!?あたしの家にはお父さんもお母さんもいないのよ! アンタの家ではおいしい夕飯が食べれるんでしょうけど、あたしはコンビニ弁当よ!! そんな姿を見られたく無かったから逃げたのよ!みじめでしょ!?笑いなさいよ!!」 だけどキョンは笑うことは無かった。真剣な顔で、あたしを見てくれていた。 「……とりあえず、落ちついて話をしよう。あそこの公園でいいか?」 ~~~~~ そしてあたしのキョンは夜の公園のベンチに二人で座っていた。 周りから見ればカップルに見えるかもしれない。だけど今は、そういう気分にはなれなかった。 あたしは、ゆっくりと話し始めた……。 「お父さんもお母さんも生きてるし、別居はしてないわ。だけど、ずっと仕事で家にいないの。」 「忙しいのか。」 「きっとね。だけど昔はそうじゃなかったわ。お母さんは専業主婦だったし、お父さんも休日は一緒に出かけてくれたわ。 優しかったし、厳しかった。あたしは昔からやんちゃだったからね、悪いことしたら、厳しく叱られたりもした。 だけど中1の夏頃から、急に変わったのよ。」 「変わったって、どういうことだ?」 「悪いことをしても叱らなくなった。何をしてもただ笑うだけで、何も咎めたりはしなくなったわ。 それだけじゃないの。なんだかいつもあたしのご機嫌を伺うようになって、ヘラヘラ笑うようになった。 あたしはそれが気に食わなくてね、悪いことをどんどん繰り返したの。犯罪スレスレのこともやったわ。 だけどそれでも怒ってくれなかったわ!」 「……」 「それでバチが当たったのね。今度は父さんも母さんも家に帰らなくなった。 父さんは仕事の量をふやして、母さんも忙しい仕事を始めた。 それからはずっとこんな生活よ。笑っちゃうでしょ。」 「……なんで黙ってたんだ。俺達に相談してくれれば……」 「相談してなんになるのよ!これはあたしの家族の問題なの!アンタには関係ないわ!」 「そうかもしれないが、何か力になれたかもしれないじゃないか!」 「アンタに何が出来るってのよ!!」 怒鳴り終えた後ではっとする。キョンは何も悪くないのに、ただ心配してくれただけなのに。 それなのに、どうしてあたしはこうやって…… 「俺にも出来ることはあるさ。」 え?出来ること? 「俺に少し考えがある。今は言えないが、お前の両親を元通りにすることが出来るかもしれない。」 「バカ、何言ってるのよ、会ったことも無いくせに……」 「俺を、信じてくれないか?」 そう言ってあたしをまっすぐと見つめるキョンの顔は真剣そのもので。 ただあたしを慰めるためのウソでは無いということが伝わってきた。 何をするのか分からないけど……だけど。 「……そんなに言うなら、信じてあげてもいいわよ。期待はしないけどね。」 お願いキョン。お父さんとお母さんを、元に戻して。 ~~~~ 公園での会話が終了した後、俺はハルヒと別れた。 正直なところこれ以上ハルヒに寂しい思いをさせたくは無かったから、ハルヒの家に行くなり逆に俺の家にハルヒを呼ぶなりも出来たのだが、俺にはやることがあった。 「ハルヒ、もう少しだけ、我慢しててくれ……」 俺はポケットから携帯を取りだし、電話をかけた。こういう時にかける相手は決まっている。あの超能力者だ。 『もしもし、珍しいですね、あなたから電話をかけてくるとは。』 「そうだな。それでいきなりで悪いんだが……今時間は大丈夫か?」 『ええ、大丈夫ですが……何か?』 「ハルヒのことについて話がある。今からいつもの公園に来てくれないか。」 『……了解しました。すぐに向かいます。』 その電話から10分後、古泉がやってきた。その表情はいつものスマイルだが、少し固い。 俺は古泉に先程ハルヒが話した内容をそのまま伝えた。伝え終えた時には、スマイルすら消えていた。 「まさか、涼宮さんにそのような事情があったとは……」 「機関は、把握していなかったのか?」 「申し訳ありません。流石に機関と言えど、家族の中まで監視するということは不可能でして。 学校内の様子を僕が見ることが限界なのです。」 「ハルヒの話を聞いて分かった。急によそよそしくなって、ご機嫌を伺うようになったと言う。それも中1の夏からだ。 ……ハルヒの両親は、ハルヒの能力について知っているんだな?」 「ええ。伝えさせて頂きました。しかし今の話を聞く限り、伝えたのはどうやら失敗だったようですね。」 「ハルヒの親と話すことは可能か?出来るだけ早くアイツを救ってやりたい。」 「そうですね……古典的な方法なら1つありますが。」 ~~~~~~ というワケで、俺と古泉はハルヒの家の前で待ち伏せをしている。 あ、もちろん家の前で堂々と立ってはいないぞ。ハルヒにバレたら元も子も無い。 近くに車を泊めて、その中で張り込みをしている。刑事ドラマでよくやってることだ。確かに古典的だな。 その車は「機関」のもので、運転手は新川さんだ。つまり新川さんもこの場にいるということになる。 「しかし彼女にそのような事情があったとは、見抜けなかったのは僕等機関としては恥ずべきことです。」 「涼宮さんはこの状況を誰にも知られたくないと望んだのでは無いでしょうか。だから今まで誰も気付けなかった。」 「そう言えばハルヒも言っていたな。『こんな姿見られたく無かった。』ってな。 ……ん?だとすると何故俺は知ることが出来たんだ?」 「それもまた、涼宮さんが望んだからですよ。あなたになら話してもいい、話を聞いてほしい、ってね。 もちろんこれは無意識下のことであり、本人は気付いてはいなかったようですが。」 「だが古泉、だったら最初からこんな事態起きなかったんじゃないか? 起きたとしても、ハルヒの能力があれば自然解決するはずだぞ?」 「これは私含め機関の中で有力な仮説があるのですが……」 新川さんが口を開いた。仮説?なんだそれは。 「涼宮殿の力は、親しい人間であればあるほど影響力が弱まるのではないかという説です。 私程度では涼宮殿の力によりいくらでも改変されてしまうでしょう。それも知らずのうちに。 しかしあなた方は、改変されたとしてもその事実に気付くことが出来る。これは大きな違いです。 更に親しい、血縁関係にあるご両親には、涼宮殿の能力も干渉することが出来ないと考えられます。」 「涼宮さんは人の心に土足で踏み込んで改変するような方ではありませんしね、その想いは親しい人ほど強いのでしょう。」 ……バカだな。ビームなんかを出すよりも、こういうことに力を使えよ。 不器用な能力だ。今だからこそ思う、こんな能力を持ったとしても、決して幸せでは無い。 そう、そして今回のケースもまた、ハルヒの能力が…… とその時だった。二人の男女がこちらに向かって歩いてきた。 片方はメガネをかけた優しそうな男性、もう片方は見ただけで分かる。ハルヒにそっくりな女性だ。 「あれは、ハルヒの両親だな。」 「ええ、私とは面識があります。私が行きましょう。」 新川さんは車から出て、ハルヒの両親の前に立った。 「あなたは確か……」 「ご無沙汰しております。『機関』の新川で御座います。」 「何か御用でしょうか?」 「はい、すず……ハルヒ殿のことで少々お話が。」 それを聞いて一気に顔が強張る二人。しかし抵抗することは無く新川さんに連れられ、車に入った。 元々が大きな車だから大人5人が入っても余裕はある。 助手席に移った古泉が後ろを向き自己紹介をする。 「始めまして。僕は古泉一樹と申します。涼宮さんの友人であり、機関の一員でもあります。 そしてこちらの彼は○○君、涼宮さんからはキョンと呼ばれております。」 「どうも、始めまして。」 古泉についでに紹介されてしまったので、俺も合わせて会釈をする。 しかし、こんなときに言うのも難だがキョンのくだりは必要なのか疑問である。 車の中で話す内容では無いということで、近くの喫茶店に場所を移した。 どう考えてもカップルや親子連れには見えない集団であり、若干浮いているが仕方が無い。 「さて、では単刀直入に伺います。」 古泉が話を切り出した。 「涼宮さんから話を伺いました。あなた方はずっと、仕事ばかりで家に帰っていないようですね?」 「……はい。」 答えたのは父親だった。とても人が良さそうな人で、悪意があってやったんじゃないということは一目でわかる。 申し訳なさそうな顔をしながら、彼は続けた。 「忙しかったから、と言い訳する気はありません。私達は怖かったのです。あの子のことが。」 「怖かったとは……能力のことですか?」 「はい。今から4年前の夏でしょうか。あなた方機関に呼び出され、あの子に特別な能力があると告げられました。 願望を実現し、時には世界まで変える能力。そして機嫌次第では閉鎖空間を生み出し世界を滅ぼすということ。 元々あの子はやんちゃで、よく叱っていました。しかしこれからはそのことが世界を崩壊させてしまうかもしれない。 ずっとかわいい子供だと思って育ててきたのに、急に世界を滅ぼすことも出来る能力を持っていると聞かされた途端、まるであの子が怪物のように思えてきて……」 「ふざけるな!!」 俺は声を荒げていた。言葉遣いに失礼があるのは分かってる。だが黙ってられるか。 「ハルヒは怪物なんかじゃない!確かにトンデモない能力は持ってる! だけどアイツは普通の人間なんだ!確かに破天荒な性格だけど、根は優しくていいヤツなんだ、それを……」 「落ちついてください!」 俺を抑えつける古泉。それと同時に、母親が泣き出した。 「だけどどうすることも出来なかったんです!機嫌が悪くならないようにしていたら、あの子はもっと暴れ出して…… だけど叱ることなんて出来ない!もう私達は逃げるしか無かったんです!」 「本当にそうですかな?」 今までずっと黙っていた新川さんが口を開いた。 「ハルヒ殿は本当は、叱ってほしかったのでは無いでしょうか。」 「叱ってほしかった……?」 「ええ。聞くところによるとハルヒ殿は、急に親の態度がよそよそしくなり、寂しかったと言っていたようですぞ。」 「……俺が直接あいつの口から聞きました。だから叱ってもらおうとしてもっとはちゃめちゃなことをするようになったって……」 「だけどそれでもし、閉鎖空間が発生したら……」 「心配しないでください。」 古泉は微笑ながらそう言った。コイツの1番得意な顔だ。 「その時は、僕達がなんとかします。我々「機関」は、そのためにいるのですから。」 「それに、アイツはもう叱られたぐらいで世界を滅ぼそうとする空間を生み出すようなヤツじゃありません。俺が保証します! だから、自分を偽って接しようとしないでください。あいつが望んでるのはご機嫌取りなんかじゃない。 悪いことをしたら本気で叱ってくれる、自然なままの親の姿なんです。」 「……わかりました。」 終始うつむいていた父親は顔をあげた。 「あの子と真正面から、向き合ってみたいと思います。以前のように厳しく叱ることもあるでしょう。 だけどもう、あの子から逃げません。約束します。」 その顔からは、先程までのオドオドとした様子は見られなかった。 大きな決意をした、父親としての顔だった。 ~~~~~ 翌日、俺はいつものキツいハイキングコースを登っていた。 昨日は夜も遅かったということもあり、あの後自然解散となった。 ハルヒの両親はそのまま家へ、そして俺は新川さんの車で自宅まで送って頂いた。 俺の親に「こんな時間まで何をしていたの!」と大目玉を食らったが、反省はしていない。 そして、今回のことについて古泉がこう言ってきた。 「今回の落ち度は我々機関にあります。どうか彼らを憎まないでください。 突然自分の子供に膨大な能力があると知らされれば、あのようになってしまうのも仕方ありません。 親と言えど一人の人間ですから。もし僕自身が同じ境遇に立たされても、今回のようにならないとは言い切れません、 言い訳になりますが当時の機関はまだ出来たてで、思慮に欠ける部分があったようです。 ですから、憎むとするならば我々機関の方を憎んでください。」 確かに、あの時は俺も感情が激高して怒鳴ってしまったが、 両親にしてみたって突然トンデモな境遇に立たされればああなってしまうのも仕方ないかもしれない。 だがそれでも俺は機関を憎むようなことはしないぜ。 確かに思うところが無いと言えばウソになるが、機関のおかげでこの世界があるのもまた事実だからな。 それよりも大事なのはこれからだ。本当にあの両親はハルヒと真正面から向き合ってくれるのだろうか。 と様々な思考を繰り広げているうちに、教室についたようだ。 「よお。」 いつものようにハルヒに声をかけ、自分の席に座ろうとした。だがいきなり、 「うおっ!」 首ねっこを掴まれて引っ張られた。おい、むち打ちになったらどうする! 「キョン!来週の不思議探索は中止だから!」 遅刻も許さない探索を自ら中止?どういう風の吹きまわしだ。 それになにやら、そのことがとても嬉しそうである。 「なんだ、何か用事でも出来たのか?」 「うん!父さんと母さんと一緒に旅行に行くことになったのよ! それで父さんも母さんも仕事を減らして、家に居る時間を増やすって!」 その言葉を聞いて俺は心底ほっとした。だからだろうな、なんというか反射的に 「良かったな、ハルヒ。」 そう言いながら、ハルヒの頭のなでていた。 真っ赤になってびっくりした顔を浮かべるハルヒ。だけどその後、にっこりと笑って 「ありがとう、キョン。」 ハルヒにしては珍しい、素直なお礼の言葉だった。 その笑顔はとても穏やかで、俺を安心させてくれるには充分なものだった。 また辛いことがあったら俺に相談しろよな。「強くて元気な団長様」だって、心休める時は必要だぜ? HRが終わった後の休み時間に、この朝のやり取りを見ていた谷口その他大勢から盛大なからかいを受けたのはまた別の話である。 やれやれ。 終わり
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/839.html
その1(古泉戦争with代名詞編) ハルヒ「ちょっとキョン!アレとって!」 キョン「アレって何だ?」 ハルヒ「だからアレはアレよ!!」 キョン「落ちつけ、それだけじゃわからん」 ハルヒ「指差してるでしょ!?」 キョン「指差されてもわからんから言ってるんじゃないか」 ハルヒ「もーこのバカキョン!!」 古泉「あなたも鈍いですね。涼宮さんは机の上にあるリボンをとってほしいのですよ」 キョン「ああ、そうだったのか。このへん散らばってるからどれを指してたのかわからんかった 古泉礼を言う。全く些細なことで閉鎖空間を広げてしまうところだった(小声で)」 古泉「いえいえ、礼には及びませんよ(これで好感度アップですね♪)」 ハルヒ「古泉君全然違う!」 古泉「何ですって!?(好感度アップにはつながりませんでしたか…)」 ハルヒ「もー何で誰もわからないのかしら!?そこに団長の腕章があるでしょ!? とってほしいのはそれよ!!」 キョン「まぎらわしい。最初からそう言ってくれてれば手間をかけることもなかったのに」 古泉「(小声で)キョン君、そうぶっきらぼうに言ってはいけません」 キョン「(小声で)おいおい、たったこれくらいのことでお前はいちいちハルヒの味方をするのか?」 古泉「(小声で)よく聞いてください、ズバリあなたは涼宮さんに信頼されてるんですよ 彼女はあなたがアレという代名詞だけでそれが何かわかってくれると信じてるんです 意志疎通ってやつですね。うらやましい限りです(是非、キョン君ともそういう仲になりたいものです)」 キョン「はあ…」 古泉「(小声で)ですから、そんな彼女の気持ちに応えてあげるように…」 キョン「お前の言いたいことはわかったよ」 ハルヒ「ちょっと二人とも!いつまでひそひそしゃべってんの!?もう、キョンしっかりしてよ」 気付くとハルヒはすでに自分の腕章をとっていた キョン「すまんハルヒ、今度からはお前のいうアレとは一体何なのかすぐ把握できるように努める」 ハルヒ「わかればよし!そうと決まれば今日は解散よ!!」 キョン「お前の解散基準がさっぱりわからん」 ハルヒ「じゃあキョン!今からあそこに行きましょ!」 キョン「あそこ?…(また代名詞か、もう勘弁してくれ、ってかさっきからワザとだろ絶対)ええっと、それはだな」 古泉「おそらく彼女の家のことでしょう」 キョン「なんだ、あそこってのはハルヒの家のことだったのか。…っておい!?」 ハルヒ「きょ、キョンあんた何言ってんの!?この前、あんた遅刻した罰金まだ払ってなかったから 喫茶店で今からおごってもらおうと思ってたんだけど…私の家って…一体どういうつもり? 何か変なこと考えてんじゃないでしょうね?!」 キョン「いや、違うんだハルヒ、これは不可抗力というやつでな」 ハルヒ「うるさいうるさいうるさい!」 古泉「(ふふ、さっき僕はキョン君の好感度を上げようとして彼に提言した。しかしそれは失敗してしまった。 そのとき僕は悟った、自分の推理力を過信してはダメだと。そこで発想の転換です。 つまり僕とキョン君との好感度をアップさせるのではなく、彼と涼宮さんとのそれをダウンさせればいい。 涼宮さんが望んでいない答えに彼を誘導することで、相対的にキョン君の意識は涼宮さんから僕へと移り変わる。我ながら素晴らしい作戦です)」 キョン「く…(古泉め、後で覚えてろ。まあヤツにつられる俺も俺だが)」 古泉「(ふふふ…キョン君、あきらめなさい!)」 ハルヒ「……まああんたがどうしても来たいってならしょうがないけど…」 古泉「(NO-!事態は思わぬ方向に!!)」 キョン「!?…行っていいのか?」 ハルヒ「言っとくけど感謝しなさいよ!?私が男という生き物を家に招くということはめったにないんだからね!!」 みくる「つまりそれってキョン君が涼宮さんにとって特別だってことですよね♪」 ハルヒ「み、みくるちゃん、一体何言って…」 キョン「なあ、特別って何だ?」 ハルヒ「そ、そういうことよ!!!」 キョン「(ホント、よく代名詞を使うヤツだなこいつは)じゃあ、そういうことって何だ?」 長門「…(鈍い人)」 ハルヒ「…もうッ!このバカキョン!!いいからあんたは黙って私の家に来ればいいのよ!!!」 キョン「おいおい、俺はまだ行くとは一言もいってないぞ」 ハルヒ「え、何?来ないの…?」 キョン「あ、いや、まあ別に用事ないし…」 ハルヒ「じゃあ決まりね!!時間もないしとっとと行くわよキョン!」 キョン「だー待て、せっかくだし、みんなも誘ったらどうだ?」 みくる「あ、ご、ごめんなさい、私今日用事あるんですう~♪」 長門「…私も今日はちょっといけない」 古泉「僕も実は今日バイトがあるんで!(本当は僕一人でも逆らいたいところですが… この空気には逆らえそうにありません(泣)長門さんに何かされても困りますしね… 僕の完全敗北です)」 キョン「(みんなそんなに俺とハルヒを二人にしたいか)」 ハルヒ「あら、そう?じゃあついてきなさいキョン!」 キョン「お、おう(ま、悪くはないかな…だが一体行って何をするのだろうか? まあそのへんはハルヒが考えてるだろうがな)」 その2(休戦withハルヒ宅編) そして俺達はハルヒ宅へと着いた。 キョン「おじゃましまーっす」 ハルヒの母「いらっしゃい。あら、もしかしてあなたがキョン君?」 すげー美人が目の前にいた。 キョン「ええ、そうですけど」 ハルヒ母「あら、そう♪ウチの娘がいつもお世話になってます♪」 キョン「いえいえ、そんな」 ハルヒ「母さんはもういいから、あっち行っててよ!!」 ハルヒ母「ひどい娘ねえ、まあいいわ、どうぞ二人で楽しんでらっしゃい!ふふ」 ハルヒ「だからそんなんじゃないってば!」 キョン「(そんなんの意味を尋ねようと思ったが、今はやめておこう)」 で、今から何すんだ?」 ハルヒ「さあね」 キョン「決めてなかったのかよ」 ハルヒ「とりあえず私今から部屋で着替えるから、だからあんたはそれまで待ってて」 キョン「そうかい」 ハルヒ「覗いたらぶっ殺すわよ」 キョン「へいへい」 言われた通り、ハルヒが着替えるのを待って俺は部屋に入った。 うーむ、ハルヒといえども女の子の部屋に入るというのは緊張するな。あ、決して変なことは考えてないからな。 ハルヒ「何か変なこと考えてたんじゃないでしょうね?」 思ってた矢先にこうだ。ちょっとムカっときたので、少しハルヒにイタズラをすることにした。 キョン「なあハルヒ、その変なことって何だ?」 ハルヒ「へ?」 キョン「その変なことっていうのをどういうことかを俺に詳しく説明してくれ。」 ハルヒ「わ、わかってるくせに…あんた、女の子の口から言わせるつもり??」 キョン「いや、全然わからないねー」 ハルヒ「このバカキョン!エロキョン!」 うお、バカとエロの二重コンボか。 その3(闘争withポーカー編) その後、特にすることもない俺達はトランプをすることにした。なぜかって?なぜと言われても返答に困るが、 一番無難だからとでも答えておこう。ハルヒはトランプをするのは久々のようで結構はりきっていた。 ハルヒ「まずはコテ調べにポーカーね!」 キョン「な、いきなり賭け事かよ!(まあ、こいつらしいといえばこいつらしい)」 ハルヒ「別に、誰も賭けるとは言ってないでしょ!」 キョン「そうか、それはすまなかった(珍しいこともあるもんだな、ひょっとして機嫌でもいいのか?)」 そういうわけで、ポーカー開始だ。俺が繰った後、5枚のカードをそれぞれ自分とハルヒに渡す。先攻は俺のようだ。 キョン「…(俺の手札数字がバラバラだ。これじゃペアは狙えそうにねえぞ)」と悲嘆に暮れていた俺であったが その代わり、5枚のうち4枚がダイヤだったので、ここは思い切ってフラッシュを狙うことにした。 キョン「じゃあ俺は1枚捨てて1枚ひくぜ」 そう言って俺は運命のカードをひいた。が、人生というのは上手くいかないな、俺がひいたのはスペードだった。 フラッシュをあきらめ、元からある4枚の数字と一つでも同じでないか、そうワンペアを狙ったのだが その思いも1秒足らずで風化した。運が悪すぎだな、これは世に言うブタというやつである。 ハルヒさん、どうやらあなたの勝ちのようですよ。 キョン「ハルヒ、お前の番だぞ」 ハルヒ「わかってる」 よく見ると、ハルヒは深く悩んでいるようだった。そう深く考えなくてもお前は高確率で俺に勝てると思うけどな。 ハルヒ「こうなったら5枚全部捨てるわ!」 …!こいつ全部入れ替えやがった!ということはこいつも俺同様、手札が悲惨だったのか。 ハルヒ「むー…」 ハルヒ、お前全部表情に表れてるぞ。そんなにいいカードがなかったのか。 キョン「よし、じゃあ勝負だ!俺はブタだ」 ハルヒ「!なんだ、あんたもなの。安心したわ、私もブタ!」 なんと、こいつもブタだったのか。この場合、互いの持ってる5枚のうち、最も大きい数字で勝負することになる。 ん?なんかハルヒの目が輝いてるぞ? ハルヒ「キョン!私の勝ちよ!見なさい、このキングの13を!まさに私にふさわしいカードだわ!」 お前の場合、女だからクイーンじゃないのか。まあ、そんなどうでもいい突っ込みはいい。 だがハルヒさん、ゲームで古泉に連勝する俺の実力、そして運をなめちゃいけないぜ。 …比較相手が古泉なので説得力がないのが悲しいが。 キョン「1だ、俺の勝ちだなハルヒ」 当然だが、ポーカーにおいては1が13よりも強い。他のトランプゲームでも大抵そうだけどな。 ……しっかしなんて低レベルな試合だ。 ハルヒ「く…!キョンのくせに私に勝つなんて生意気よ!!!」 キョンのくせにか、ひどい言われようだな。 ハルヒ「まあでも1ってのはあんたらしいけどね」 おい その4(闘争with大富豪編) なんだかんだいってトランプごときでここまで熱くなるとわな。相手がハルヒっていうのも原因の一つかもしれない。 その後、ポーカーを2、3回したがなんと全部俺の勝ちだった。ハルヒに勝てるのはトランプの世界だけかもしれないな。 機嫌が悪くなったのか、今度はハルヒは大富豪をしようと言い出した。なるほど、ハルヒが好みそうなゲームだ、 受けて立つぜ。…といったものの、二人で大富豪となると一人の手札が総数の半分の26枚になってしまう。 あまりに多いので、さすがに手札の数を減らした。最終的には15枚でハルヒの合意を得た。 ハルヒ「じゃあスペードの3、私がもってるから先攻は私ね」 キョン「そうか」 ハルヒ「3のダブルよ!」 キョン「お前、いきなり2枚勝負かよ」 まったく、ハルヒらしいぜ。俺も対抗してカードを置いていくが、ラストは俺のジョーカー&2のカードで締めた。 ちなみに2は大富豪においてはジョーカーについで2番目に強い。 (なんかトランプ講座みたいになってきたのでここで説明終了) ハルヒ「対抗できるカードなんてあるわけないじゃない!キョン、あんたの番よ」 俺は残り11枚、ハルヒも11枚…ここで俺は4枚ともクローバーの10、9、8、7を使わせてもらった。そう、革命である。 ハルヒ「な…!!!」 ハルヒの驚いた表情と後悔の念が伺える。そりゃそうだ、さっきこいつは3のダブル(2枚)を使ってしまったんだからな。 というか、これくらい予測しとけよハルヒ… キョン「そして俺は1のダブルだ、ハルヒ助かったな」 ハルヒ「バカいわないで!革命中だから1を捨てるのは当然のことじゃない。 っていうかあんた、そんな強いカードもってて革命とかバカなんじゃない?」 言われてみればそうかもしれない。だが、革命をしたときのハルヒの顔色が見たくてな、察してくれ。 ゲームってのは楽しまなきゃ意味ないぜ。 ハルヒ「じゃあ私はキングの13のダブルを出すわ」 つくづくキングに縁があるやつだなお前は キョン「俺は10のダブルを」 ハルヒ「9のダブル」 な…こいつ意外にダブルもってんのな。じゃあこいつはどうだ? キョン「5のダブルだ」 ハルヒ「ふふッ…キョン、何あんた勝ち誇った顔してんのよ?」 なんだって?俺がそんな表情をか。俺もお前のこと言えねーのかもしれねえな。 ハルヒ「じゃあ私はそれに4のダブルをぶつけるわ!!」 キョン「強いなハルヒ。俺はパスだからお前の番だ」 みなさんお気づきだろうか?俺は残り1枚、ハルヒは6枚である。 ハルヒ「ふふふ、1枚になったことを後悔させてあげるわ♪」 何をいきなりおっしゃるハルヒさん ハルヒ「2のダブルをだすわ」 キョン「…お前革命なかったらどんだけ強いんだよ!?」 ハルヒ「そうよ!あんたが革命起こしたせいなんだからね!!」 俺は1枚だけだから出せるわけもなく…ん?もしかして俺はやばいのか? ハルヒ「畳み掛けるわよ!!ハートの10と11とジョーカーで攻撃!!」 キョン「階段!?マジかよ!?」 最後の最後でジョーカーとは…なんだかんだいってお前策士だな。それとも俺は油断してたのか…? ハルヒ「最後に1を出してっと♪はい、私の勝ちね♪♪」 ハルヒの手札がなくなっちまいやがった。畜生、俺の手札の1枚は、革命下で最強のはずの3だったのに… 早々に手札が1枚だけになったのが最大の敗因か…不覚だ。 キョン「強いじゃねーか、ハルヒ。やりがいがあるってもんだ」 ハルヒ「ふん!キョンのくせに生意気な口たたいちゃって!いいわ、これから私の強さを見せつけてあげる!!」 うむ、見事に見せつけられた。この後、俺達は7時まで大富豪をしてたのだが、なんと今度は俺の全敗だった。 神様ってのは運を人間に平等に与えるのなとつくづく思った。 ハルヒ「あ、キョン、もしかして運が悪かったって思ってる?それは自惚れね!あんたには実力がないのよ!」 痛いとこつかれたな。ま、決して弱いほうではないと思うけどな。ふ、聞かなかったことにしよう、それが俺である。 その5(平和with両思い編) ハルヒ「あーとっても楽しかったわ♪」 キョン「そうだな、トランプごときでここまで熱くなるとはな、俺も十分楽しかったぜハルヒ!」 ハルヒ「私からみても楽しそうなのがわかる♪キョンが楽しんでくれてよかったわ」 キョン「(めちゃくちゃ機嫌いいな)お前もみてて楽しそうだったぜ。子供のようだったよ」 ハルヒ「あら、あんただって子供みたいだったけどね!!」 俺達は笑った。うむ、互いに負けず嫌いってとこは認めなければならないだろう。 その後しばらく談笑してたが、7時半を過ぎてるのをみて、さすがにもう家に帰る頃…ってか帰らないとやばいな、 妹たちに俺一人のために夕食を待たしちまうと思い、ハルヒの家を出ることにした。 楽しかったから俺としてはまだずっとハルヒと一緒にいたかったけどな。 ハルヒ母「あら、もう帰っちゃうの?夕食くらい食べていけばいいのに」 優しい母親である キョン「大変ありがたいですが、お気持ちだけ受け取っておきます。家族を待たせるわけにはいかないので」 ハルヒ母「あら、そう…ねえキョン君」 キョン「はい?」 ハルヒ母「(小声で)娘とはどこまでいってるの?」 いきなりで驚いたね。ちょっとは考える時間をくださいハルヒ母さん。 キョン「(小声で)え、ええっと…大丈夫です、決して変なことはしてませんから!」 こんな変な返答する俺も俺だな。考える時間がなかったからということにしておいてくれ。 ハルヒ母「(小声で)ふふ、本当キョン君って純粋ね。これからも娘をよろしく頼むわ。 あの娘、なんだかんだいってかなり無茶しちゃう娘だから…」 キョン「任せてください、ハルヒを…悲しませるような目には絶対あわせませんから!!」 ハルヒ「きょ…キョン??」 しまった、つい感情こもって大きな声だしちまった!ん?感情?もしかして俺、ハルヒのこと… ハルヒ母「こんな素敵な男の子がいてハルヒは幸せね♪」 ハルヒ「もう!お母さんがいると話がややこしくなるからあっち行ってよ!!」 ハルヒ母「はいはい、じゃあねキョン君」 キョン「はい、おじゃましましたー」 と言って外に出ると、ハルヒもついてきた。見送りにきてくれたらしい。 ハルヒ「な、何よ!?団長が団員を気遣って見送るのは当然のことでしょう!?」 最後の最後までハルヒらしいな。 キョン「今日はいろいろとありがとなハルヒ…」 ハルヒ「え?」 キョン「楽しかった、ありがとな!!」 ハルヒ「こ、こっちも楽しかったわよ!!あんただけにありがとうと言われる筋合いはないわ!! こっちもどうもありがとね!!!」 そう思いっきり言われると照れる。…今のこいつ、本当に幸せそうな顔してるな。 ってかいつまでもそんな顔されたらー 気が付くと俺はハルヒを抱きしめていた。 ハルヒ「きょ…キョン!?」 ハルヒは驚いてる、だけど俺はこの手を放したくなかったんだ。するとハルヒも抱きついてきてくれた。 ハルヒ「キョン…温かい」 キョン「…お前もな」 しばらく沈黙が流れる キョン「ハルヒ…やっぱ俺、お前のことが好きみたいなんだ…もう隠しようもないぜ」 ハルヒ「!!…やっと…やっとキョンと思いが通じ合った…」 俺たちはよりいっそう強く互いを抱きしめる。そして静かに口付けを交わした。 .………何分経ったのだろうか、とりあえず俺達は手を解いた。 キョン「…これからもよろしくな…ハルヒ」 ハルヒ「望むところよ!キョン!!」 こういう状況でも、すぐさま人一倍元気になれるハルヒはやはりハルヒらしい。見てるこっちも元気が出てくるってもんだ! キョン「今度はみんなも一緒にトランプしような」 ハルヒ「ええ、もっと楽しくなりそうね…♪」 Fin
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4832.html
文字サイズ小でうまく表示されると思います 何故安価なのかは 33 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 12 56 28.24 ID uEJYG+Qk0 いいわけ保守 なあハルヒ、このスレは本来SS投下をする為にあるんであって安価とかはまずいんじゃないのか? 投下が来た時の邪魔になるし、住人も良くは思ってないと思うぞ? 「そんな事はどうでもいいの! いい、キョン。この場合一番重要なのはプリンが生き残る事、それだけよ。 そりゃああたしだって、本当は投下を期待してF5押しながら支援カキコしてたいわよ。でも今は規制のせいで 住人が殆どいないじゃない!」 そりゃあ、まあそうだが。 「明日になればきっと誰かが戻ってくる、あたしはそう信じてるもの! だから私は意地でもここを存続させる から邪魔しないで!」 ……なあ、ハルヒ。お前、なんでそんなにプリンの存続にこだわるんだ。 「え?」 別に今もアナルは生きてるんだし、規制されてる人が帰ってきてからスレを立ててもいいだろ? 「……だって」 ん。 「だって……ここがなかったら、あたしとキョンのSS書いた人が投下してくれないかもしれないじゃない」 なんだ、声が小さくてよく聞こえな「うるさい!! バカキョン! いいから存続させるの! いいわね!」 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 09 12 27.95 ID uEJYG+Qk0 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 09 48 25.98 ID uEJYG+Qk0 適当にはじめてしまおう 何事もない日常が喜び。 ハルヒに振り回され続けてきた俺は、たまに本気でそう思う事がある。 でもまあ、ここまで退屈だと逆に何か起こってくれないかね? なんて思うのは 贅沢なのだろうか。 せっかくの休日だというのに今日は何の予定もなく、朝から何度も確認しみても 携帯の電源は入っているのに着信はない。 これは神様が俺に休憩しろとでも言っているどうろうか? だとしたらその余暇を楽しむ何かまで準備して欲しかったってのは、望み過ぎ なんだろうな。 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 09 55 41.85 ID uEJYG+Qk0 出かけるあてなどないのだが、とりあえず着替えてだけおくか。 クローゼットの中の私服は、我ながらレパートリーが少ない。ああそうだ、買い物 に行くなんてものいいかもしれないな。 結局、着なれたいつもの服装に着替えた俺は―― 11 反応なければ適当にいきます 1 誰か誘ってみるか 相手指定可 2 今日は一人で行動しよう 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 06 50.18 ID uEJYG+Qk0 適当~ 誰か誘ってみようか? そう思って携帯を開いてはみたが何となくその気にならない。 たまには一人で出かけてみるか。 俺は開いたばかりの携帯を閉じてポケットに入れると、自分の部屋を後にした。 休日だというのに、街に溢れかえっているのはスーツや事務服に身を包んだ人ばかり だというのはどうなのかね? 週に一度は魂の安息日があってもいいと俺は思うぞ。 そんな上から目線で、実際にファーストフードの2階席から歩道を見下ろしながら 簡単な朝食を済ませる。 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 13 39.95 ID uEJYG+Qk0 一人だと相手を選んで店を決めたりしなくていいから気楽でいいな。 いつもの休日なら、気忙しく食べ終えて移動するだけの食事なのだが今日は違う。 多少冷えて適温になったコーヒーをゆっくりと飲みつつ、俺はゆったりとした時間を 楽しむ事にした。そういえばマックのコーヒーはおかわり実はできるらしいが、本当 なんだろうか? こんな小さなコップにおかわりってきついだろ、頼む方も持ってくる方も。 時間は……10時か。 手元のレシートで会計時間を見るとまだ20分しか経っていない。 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 21 21.40 ID uEJYG+Qk0 やれやれ、気忙しいのは俺も一緒か。 嘘をついても仕方ない、早くもこののんびりとした時間に俺は退屈しはじめていた。 あてもなくぶらつくのもいいが、どうせなら何か――ああ、今日は服を買うんだったな。 空になったゴミが満載のトレーを片付けるついでに、俺は店にあったフリーペーパーを 一部もってきた。 今日の俺にはそれほど資金に余裕があるわけでもないし、何軒も店を回る気力もない。 よさそうな店が無いかページをめくっていくと、まあ俺でもなんとか手が出そうな店が 数軒見つかる。 それは ↓ 1 駅裏のアーケードにできた個人経営の店だった 2 最近人気のブランド物を扱う専門店だった 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍):2008/09/14(日) 10 24 47.67 ID /F2MYmMC0 1 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 29 22.74 ID uEJYG+Qk0 「あっれー? キョン君じゃないか!」 駅裏のアーケードの一角、つい先日できたばかりらしいその個人経営の店の前で、俺は やけに元気な先輩と出会った。額によくわからないインドちっく? なバンダナを巻いて 笑っているのは言うまでもなく鶴屋さんである。 「おんや? あれ? 何故だろう、鶴屋さんは俺を見つけて駆け寄ってきた途端、何かを探すようにオーバー リアクションで俺を起点にぐるぐると回っている。 どうかしたんですか? 「どうかもなにかも、キョン君。君、一人なのかい? ええ、今日は一人です。 俺の返答がよほどショックだったんだろうか、鶴屋さんの笑顔が一瞬固まる。 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 35 41.93 ID uEJYG+Qk0 「え、あ。あっははー! その、うん。なんだ。人生は長いぞ少年!」 突然俺を抱きしめて、鶴屋さんは意味のわからん事をいいながら背中をばんばんと叩いて きた。 え? あのどうしたんですか? 「まあハルニャンは気まぐれな所もあったりするからさー、ちょろっと離れる事があっても 元通りになる時は磁石みたいにばちーんって一瞬だよ!」 あの、鶴屋さん。 ↓ 1 よくわからないが誤解を解こう 2 まあいいか、このままにしておこう 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(神奈川県):2008/09/14(日) 10 36 54.51 ID RpStx02Y0 1 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 46 14.02 ID uEJYG+Qk0 よくわからないが誤解を解こう ハルヒとは別に何もないですよ。今日はたまたま一人で買い物に来ただけなんです。 「へ? ……あ、そうだったんだ。ごっめんねー!」 とか言いながら俺の頭をぐりぐりと撫でる鶴屋さんを見て、うちの妹が大人になったら こんな感じになるんだろうか? と俺はシャミセンいじりに邁進する我が家の暴君の十数年後を 想像してみた。 「で、キョン君はあたしのお店の記念すべき最初のお客さんになってくれるのかな?」 へ? あなたのお店? 「あれー? 知ってて来てくれたんじゃなかったのかい? 本日12時オープンのファッション 雑貨『なまらすて』をよろしくぅ!」 持ってきていたフリーペーパーを見てみると、確かに店の連絡先の所に鶴屋という文字がある。 実は高校生向きファッションショップというカテゴリーと、駅から近いという理由だけで選んだ んだけどな。 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 10 54 37.56 ID uEJYG+Qk0 なまら……すて、北海道の訛りなのか外国の挨拶なのかそのどちらもなのかよくわからない 名前だ。だが店の名前が意味不明なのに対して、店の商品は実にわかりやすい品揃えだった。 高校生向きと言うだけあって、俺でも簡単に手が出る値段の商品がそれほど広くない店内に 空間を意識しながら展示してある。 「開店までまだ1時間あるけどキョン君なら入っちゃってもいいにょろよ?」 それは、その有難い申し出だ。だがいいんだろうか? 「いいんだって、だって私店長さんなんだもんね!」 俺の返事を聞く気はないのだろう、さっそく俺の腕を掴んで鶴屋さんは店内へと案内というか 拉致してくれた。 流石は鶴屋さんといった所だろうか。店内に並んだ商品はどれもはずれがなく、適当に買って 帰っても後悔はしない様に見える。 「さーて、じゃあキョン君に似合いそうなのは……と」 どうやら一緒に服を選んでくれるつもりのようだ、 ↓ 1 せっかくだが一人で選ぼう 2 ここはプロに任せよう 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 11 06 31.83 ID neBvtuvmO 2 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 11 14 29.82 ID uEJYG+Qk0 ここはプロに任せよう。俺のセンスがどれ程のものかくらいわかってるさ。 「キョン君は無理にかっこつけた服よりも、ポイントでセンスが光る服の方が合ってると思うん だよね」 俺と服とを交互に見ながら、鶴屋さんは駄菓子でも買うかのような勢いで服を集めていく。 あの、それもしかして全部。 「もっちろん試着してもらうよ! さあさあ、とりあえずこれとこれで着てみて! こっちを 上に着るんだからね?」 試着室になかば押し込まれるようにして閉じ込められた俺は、まあ仕方ないかとため息をついて 見つくろってもらった服に着替え始めた。 ――これが、俺か。そうか。 数分後、全身が写る鏡の前に居たのは俺が見てもそれなりに見える外見の男だった。さっきまで の、延滞したビデオを返しに行く途中にしかみえない男はもうここには居ない。 服で印象が変わるなんて無いって思ってたが、選ぶ人によってはあるんだな。 「もーいーかいっ?」 あ、はいどうぞ。 「御拝けーん……おー! さっすがあたし、完璧じゃないかー!」 俺もびっくりしました。 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 11 21 18.14 ID uEJYG+Qk0 次に着せようと持ってきていた服をあっさりと投げ捨てて、鶴屋さんは俺を試着室から引っぱり 出すってああ、待って下さい! 靴を履いてないんです! 「いやー、素材は悪くないと思ってたけどこれは予想以上。カツオがマグロになっちゃったねー!」 それってどっちが上なんでしょうか。 ちなみに外国だと、どっちもツナだったりするらしいですよ? 「ねえ、キョン君。これから一緒にどこかへお出かけしないかい?」 ええ?! って貴女はこのお店の店長さんなんでしょう? 「大丈夫だって! 初日だからバイトさん雇ってるし問題無いっさ!」 って、その ↓ 1 やっぱりまずいですよ 2 まあいいか 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(新潟・東北):2008/09/14(日) 11 24 41.39 ID 3wOPtLBVO 2でお願いします 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 11 38 07.56 ID uEJYG+Qk0 まあいいか、たまにはハルヒ達以外の人と遊んだっていいだろ? 俺は大人しく頷き、それを見た鶴屋さんは向日葵の様な笑顔を浮かべた。 「みくるから色々聞いてはいるんだけど、キョン君はどんな所で遊ぶのが好きなのかな?」 そう言われると、どことかは無いですね。 ティーンズ雑誌の表紙を飾ってもおかしくないレベル、つまりは道行く人の誰もしも振り返るような 外見の鶴屋さんと二人っきりで歩くのは、普段の俺ならご遠慮したい。 だが今の俺ならば、そんなに自分を卑下しなくてもすむはずだ。多分。 「あっれー? キョン君元気ないくないかい?」 鶴屋さんは、呼吸が感じられる程近くで覗き込んでくる。 思わずのけぞった俺の胸に指をあてながら、 「あたしが選んだ服を着てるのにそんな自信なさげな顔じゃだめさー? さあ笑って! ね!」 今更なんだけど鶴屋さんの喋りがよくわからない; 誰か鶴屋さんのセリフが多いSS知ってる人いないかい? 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 11 48 14.40 ID uEJYG+Qk0 そう言って俺の頬をひっぱる鶴屋さんの顔に、何か言葉以上の感情があるような違和感を感じる。 ……あ、そうか。鶴屋さんは俺に気を使ってくれてるんだな。言葉の所々に感じるニュアンスと、時折 俺の顔を見つめてくる仕草が気になってはいたんだ。 鶴屋さんは多分、俺がSOS団の誰か。まあ、多分ハルヒとの間で喧嘩でもしてると思ってるんだろう。 そう思うのも無理もない程に、俺の行動にはSOS団の誰かが関わっていたからな。 ようやく俺に笑顔が戻ったのを見て、鶴屋さんは満足げに頬をつまんでいた指を離す。 「さ! 今日は記念すべきキョン君とあたしの初デートだよ! 気合い入れてエスコートして、彼女の ハートをがっつりお持ち帰りしちゃってね?」 えっと、それはどこから突っ込めばいいんですか? ……反応なし。おかしいな、俺の反論はどうやら鶴屋さんには聞こえない様だぞ。なんて便利な耳だ。 さて、とりあえず歩道で立っていても仕方ない。どこかへ行くとするか……。 ↓ 1 公園でいいかな? 2 図書館に行ってみよう 3 休みだけど学校に行ってみようか 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 11 52 34.81 ID neBvtuvmO 1 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 13 04 28.27 ID uEJYG+Qk0 言い訳書いてる暇がどこにあったのかと 休日の公園は騒がしい街とはうって変わって、子供連れの主婦が数人しか見えない。 俺の隣を歩く鶴屋さんは絡んでくる子供の相手をしたり、やれ空に浮かぶ雲の形が何に似ているだのと はしゃいでいる。 いいね、これこそまさに安息日ってやつだ。 俺は俺でそんな彼女の姿を目を細めながら眺めつつ、のんびりとした時間を楽しんでいた。が。 「ねーキョン君さ。……みくるが秘密を打ち明けた公園にあたしを連れてきて、どうしちゃうつもりなのかなー?」 平穏な時間はあっさりと終わった。 って今のはマジなんですか? まさか朝比奈さんは鶴屋さんに全部話してしまっているとか? ↓ 1 鶴屋さんも、朝比奈さんが未来人だって事知ってるんですか? 2 俺には、その。何の事だかさっぱりです 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 13 09 22.03 ID UndwICEDO 2で つか爆睡かましてたらアナルが落ちてたorz 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 13 23 16.93 ID uEJYG+Qk0 俺には、その。何の事だかさっぱりです。 いくら朝比奈さんがうっかりさんでも、禁則事項に関わるような事を口を滑らせるとは思えない。俺は冷や汗を かきながら鶴屋さんに嘘をついた。 しばらくの凝視の後。 「……そっかー。そうだよね、うん。ごめんごめん! ちょっとさ、みくるの様子が変だったから気になっててね」 え、朝比奈さんがですか? 疑う様だった鶴屋さんの眼差しが消える。 「みくるからキョン君の話を聞いてた時にね? この公園でキョン君に何か大切な事をお話したって所までは教えて くれたんだけど、それ以上先はどー頑張っても教えてくれなかったのさ~」 ……朝比奈さん、そこまで話したら誰でも気になると思いますよ? 「それで、もしかして君が何かみくるといけないお話でもしちゃったのかなって思ってね~。……ねえキョン君」 はい。 「みくるはさ~、なんていうかぼんやりさんでおっちょこちょいで目が離せない所ばっかり目立っちゃうけど、 本当は色々溜めこんじゃう娘なのさ。だけど人には言えない性格なのか、言えない内容なのかわかんないけど、 自分だけで頑張っちゃっててね~……そんなみくるもさ、キョン君には話せる事が多いみたいだから助けになって あげて欲しいな?」 最後の方は寂しそうな声で、鶴屋さんはそう言った。 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 13 39 38.67 ID uEJYG+Qk0 俺にできる事なら。 もちろんこれは俺の本音だ。心のオアシスでもあり部室の天使でもある朝比奈さんの手助けになるなら、頼まれる までもなくなんだってするだろう。 パッと笑顔になる鶴屋さん。 「よろしく頼んだよ!」 そう言って鶴屋さんは背伸びをすると――冷たく柔らかい何かが触れる――素早く俺の頬にそっと触れるキスをした。 な、な。え? 驚く俺とは対照的に、鶴屋さんは平然とした顔で自分のポケットで振動していた携帯を取り出して何やら確認をしている。 そして急に顔をしかめて 「えー! そんなぁ~……残念だけどキョン君、あたし今すぐお店に戻らなくちゃいけなくなっちゃったよ。在庫が 尽きちゃって大変なんだって」 ええ? ってああ、俺の事は気にしないでいいですよ。 ところでさっきのはいったい、ってここは聞くべきなのか? 「ほんっとごめんよ? この埋め合わせは絶対するからー……絶対するからねー!」 手を合わせて謝ったかと思うと、すぐさま走り出し、何度も振り返りながら鶴屋さんは去って行った。 鶴屋さんの姿が見えなくなった所で、そっと自分の頬に触れてみる。 ……どうやら、さっきの白昼夢の類ではないらしい。 一人公園に取り残された俺は、自分でも意味のわからない溜息をつきつつ家路についた。 なんていうか、ハルヒとは別の意味で台風みたいな人だな。 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 13 58 13.27 ID uEJYG+Qk0 その日、久しぶりに自室のクローゼットに新しい服が追加された。並べてみると、そこだけ自分の服じゃないみたいで なんだか変な感じがするな。 次の休日が待ち遠しいなんていつ以来の感情なのかわからない、俺はその日の出来事を思い出しながら眠りについた。 ――翌日、いつもなら気だるい通学路も普段の20%増し程度の元気で登り終え、平均より10分程早く教室に入った 俺の目に入ったのは机にのびているハルヒだった。 めずらしいな、あいつにしては。 俺が席についてもハルヒは動こうとしない、流石にここまでくると気になってくる。 おい、大丈夫か? 俺の声に数秒遅れて、ハルヒがゆっくりと顔を上げる。 「……ああ、キョン。いつ来たの?」 今さっきだ。 「そ」 再び机との同化作業に戻るハルヒ。 ハルヒ、体の調子が悪いのか? 保健室に行くならついて行ってやるが。 「いい。……昨日、親戚が1歳になった赤ちゃんを見せに来たんだけどね。その相手をしてて本気で疲れてるだけ」 そりゃあ……大変だったな。 お前の相手をしている俺達の大変さが少しはわかったか? なんて本音は言わないでやるよ。なんせ俺は充実した 休日だったからな。 「キョンは」 ん? 「キョンは昨日何してたの?」 ああ、俺か。 ……さて、ここで鶴屋さんの名前を出すべきか…… じゃあ安価で ↓ 1 やめておこう。昨日は買い物して終わったよ。 2 まあいいか。昨日は鶴屋さんの店で買い物してきた。 3 たまには驚かせてやるか。昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(神奈川県):2008/09/14(日) 13 59 47.34 ID npWD+ams0 3 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍):2008/09/14(日) 14 09 56.12 ID /F2MYmMC0 古泉君スタンバイ 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 14 11 50.23 ID uEJYG+Qk0 たまには驚かせてやるか。 昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。 「はあ?!」 でかい声をだしつつ即座に体を起こすハルヒ。 おでこ、真赤だぞ。 「えっあっ……ちょっとキョン。今のって本当なの?」 前髪でおでこを隠しながらハルヒは睨んでいる。 嘘か本当かと聞かれれば……本当なんだが、まあ古泉の気苦労を増やすのも悪い気がする。あいつに恨みがある訳でも ないしな。 冗談だ。昨日買い物してたら偶然あってな、服を選んでもらったんだ。それだけさ。 「……あ、あんまり変な事言わないでよ。でもまあ、よくよく考えてみれば鶴屋さんがあんたみたいなのとデートする なんて地球が逆回転を始めるよりありえない事よね。一瞬でも信じたあたしがどうかしてたわ」 そうかい。 ずいぶん安くなっちまったな、地球。 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 14 21 37.98 ID uEJYG+Qk0 これでこの件は終了。 だったらよかったんだけどなー。それから時間は進み今は昼休み、どこかへでかけていくハルヒを見送り、のんびりと 弁当を広げていた俺の携帯が振動をはじめた。相手は……古泉? 箸を置いて、なんとなくその場で話すのを躊躇った俺は廊下に出てから受話ボタンを押した。 もしもし。 「何があったんですか?」 主語がないぞ、古泉。それにそれは俺のセリフだ。 「すみません、ですが答えて下さい。涼宮さんに何かしましたか?」 何かって……特に思い当たらないが。 「実は、ついさっきいつになく巨大な閉鎖空間が発生しました。これは涼宮さんにいきなり大きなストレスがかかったと しか考えられません」 落ち着けって、まあやばいのはわかった。でも俺はここ数時間ハルヒの頭を叩いたりもしなかったぞ?叩かれはしたが。 それに授業中だったから特に何かあったとは思えん。 「確かにそうですね……、ちなみに、貴方の言う物理的な理由では涼宮さんにストレスがかかる事は殆どありません。 ありえるとしたら……そうですね、貴方が涼宮さんの目の前で誰かとキスをする、そんな状況を見れば今のような閉鎖空間も 発生しえるでしょう」 古泉、ここは学校だぞ? そんな事がある訳……あ。 「ど、どうしました?」 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 14 35 38.75 ID uEJYG+Qk0 あ、いや。実は昨日、俺は鶴屋さんと買い物をしてたんだが。 「はい」 そこでキスされたんだ。 「……」 痛いほどの沈黙が流れる。 で、でも、あれは不可抗力だったし昨日の事なんだから今回は関係ないだろ? それに俺はハルヒには、買い物中に 鶴屋さんと会ったとしか言ってないぞ。 「事実はともかくとして、もしも涼宮さんがその事を鶴屋さんに確認に行ったら」 古泉の言葉に、俺が想像した鶴屋さんのリアクションのどれもが、あっさりキスの一件まで伝えてしまう姿だった。 「すみません、僕は機関の仕事に戻ります。すみませんが涼宮さんの事をお願いします!」 おい待て古泉! お願いするったってな? ――ええい、切れてやがる。 別に俺はハルヒと付き合ってる訳じゃないのに、そこまで気をまわさなくちゃいけない理由ってのはなんなんだろうな? ああそうか、世界崩壊の危機だったな。……笑えねー。 ともかくだ、ここは ↓ 1 ハルヒを探そう 2 長門に相談しよう 3 朝比奈さんに話をしてみよう 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 14 37 16.58 ID neBvtuvmO 1 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 14 46 21.17 ID uEJYG+Qk0 ともかくだ、ここはハルヒを探そう。 鶴屋さんとハルヒが会ったっていうのが本当なら、多分2年の教室の近くに居るはずだ。 生徒で溢れかえる昼休みの廊下を、俺は世界を救うべく全力で走っていた。 そこら中から感じる奇異の視線。 そうだな、俺もこんな変なのが居たら目で追うだろうよ。 ついでに言えば入学したばっかりの頃のハルヒはこんな視線をいつも受けてたんだろうな。 幸運にも教師に見つかる前に、俺は2年の教室まで辿り着いた。 えっと、鶴屋さんは……しまったあの人が何組なのか俺は知らないじゃないか? 朝比奈さんに電話した方が確実なんだろうが、ともかく今は時間が惜しい。俺は順番に教室の中を覗き込みながら ハルヒの姿を探していった。 そんな不審行為を繰り返していると、 「あっれー? キョン君じゃないかー」 廊下を歩いて来たのはまさに渦中の人、鶴屋さんだった。 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 14 55 44.12 ID uEJYG+Qk0 53 本当に言ってねー 鶴屋さん、ハルヒがここに来ませんでしたか? っていうか何か話しませんでした? 「ハルニャン? きたよー、昨日キョン君とチューしちゃったーって言ったらめがっさ怒って何処かへ行っちゃったにょろ」 ――世界が停止したかと思った。……古泉、最悪な方向にビンゴだぞ。 急な運動による胃痛と、止まらない頭痛に思わず頭を抱える。 あーくそう! なんで朝、俺はあいつにあんな事を言ってしまったんだ? そんな事言うつもりはなかったのに! 「ちょっと大丈夫かい? 顔色が真っ青だよ?」 ええまあ、これくらいなんてことないんです。はい。 これから起きるかもしれない事を考えれば、俺の体調不良なんて1ジンバブエドルと等価なんです。 それで、ハルヒはどこへ? 「あっちだよ。でもどこに行くかは聞いてなかったな~」 ともかく今は動くしかない、俺は疲れた体に鞭打って再び廊下を走りだした。そして間もなく階段の踊り場に辿り着く、 ハルヒは上か? 下か? 1 上 2 下 3 一人では探しきれない、誰かに助けを頼もう 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 15 05 18.49 ID neBvtuvmO 上 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 15 18 34.75 ID uEJYG+Qk0 書き手が一人の間はこれでもいいかもね 上に行ってみよう、なんとなくハルヒと言えば高い所にいるイメージがある。それに一度降りて上がるよりは、先に 上がって降りた方が体的にも楽だろう。 これで重労働は最後だと気合いを入れて階段を上った先には、ああそうだ、そういえばここだったんだな。 あの日、部活を作る事を思いついたハルヒに拉致されてきた屋上への扉があった。 鍵は……開いている。 勢いのままに扉を開けたそこには……、誰も居なかった。 一応ぐるりと回ってはみたが、広い校舎の屋根部分に簡単な柵がついているだけで誰の姿も隠れる場所も見当たらない。 くそっはずれか? 「おーい、キョン」 誰かの声が下から聞こえてくる。この声は、 「お前そんな所でなにやってんだ?」 グランドから叫んでいたのは谷口の奴だった。隣には国木田の姿も見える。 おい! ハルヒを見なかったか? 「涼宮? 涼宮ならさっき部室棟の方に歩いてたぞー? っていうかお前午後の授業さぼるつもりか?」 「キョンー。僕の机の上に置いてあったお弁当はキョンの机の中に入れておいたからねー」 二人の声を最後まで聞く事無く、俺は本日何回目かの全力疾走を自分の足に命じた。 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 15 37 36.41 ID uEJYG+Qk0 じゃあとりあえず16:00で一回切れる様にごまかします 30分程の用事もあるし 詳しい言い訳は 33 俺の選択のどこに間違いがあったのか、それともそもそも俺の選択など何の意味ももたないのか。 昼休みが終わる鐘が鳴って静まり返った廊下を俺は必死に走っていた。 授業中のクラスの近くを通るのはなるべく避けながら、ともかく部室棟へと急ぐ。 中庭から見えるグランドでは谷口達がサッカーに興じているのが見える。 ああくそっ! いったい俺は何をやってるんだろうなーもー! 部室棟の中は当たり前だが静まり返っている、俺の階段をかけのぼる音だけが大きく響き、ようやく部室の前まで 辿り着いた時は、今度は俺の荒い息だけが響いていた。 頼むぜハルヒ、ここに居てくれよ? 会った所でなんて言えばいいかなんてわからないが、会わなけりゃアウトな事だけはわかる。 息を飲みながらドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。 扉の向こう、部室の中に居たのは…… 1 よかった、ハルヒがそこに居た。 2 古泉、なんでお前がここに? 3 長門、お前だけか。 4 すみません、間違えました。俺を見つめるいくつかの不審な目、間違ってコンピューター研の扉を開けていたらしい。 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 15 47 07.84 ID neBvtuvmO 2 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 15 56 34.43 ID uEJYG+Qk0 古泉、なんでお前がここに? 部室の中に居たのはハルヒではなく古泉だった。 「貴方こそどうして、涼宮さんを探していたのではないんですか?」 探して辿り着いたのがここなんだ。で、お前は? 「閉鎖空間の発生地点がここなんです、僕は外の状況を確認するために一度出てきた所なんですが……まさか、もしかして?」 古泉は驚いた顔で部室の窓を見つめる、……嫌な予感がする、しかもそれが的中してしまうような……。 まさか、ハルヒは。 俺の言葉に頷く古泉。 「どうやら、涼宮さんは自分で作った閉鎖空間の中へ入ってしまったようですね」 悪い予感ってのはなんでこう当たるんだろうな、誰か教えてくれよ。 「神人は広範囲に分散して現れていますが、万一涼宮さんが遭遇してしまったら終わりです。すみませんが……」 わかってるよ、俺も行けばいいんだろ? 「申し訳ありません」 今回は俺の不注意が原因みたいなもんだ、気にしなくていい。 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 16 40 11.76 ID uEJYG+Qk0 なんだろう、ここ。 気がついた時、あたしは不思議な場所に居た。 そこは見た目はあたしのSOS団の部室なのに、一切音が無く窓の外は色が無い灰色の世界が広がっている。 この場所にあたしは……うん、きっとそう。ここに私は来た事がある。 ともかく誰か居ないか探さないと。 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 16 59 05.25 ID uEJYG+Qk0 まるで気圧の違う場所に入ったかの様な違和感。 「もういいですよ」 目を開いた時、そこにあったのは数秒前と変わらぬ部室の風景。そして窓の外に広がる灰色の世界だった。 今の所、窓の向こうに青白く光り輝く巨人の姿は見えない。 「学校の傍の神人は閉鎖空間の発生した時に退治しました。ですが、神人が再び現れないとも限りませんので 急いで涼宮さんを探しましょう」 ……そうだ、簡単な方法があるじゃないか! 「え?」 俺は窓を開けて中庭を見回す、そこにハルヒの姿は見えない。が ハルヒー! 俺の声が静まりかえった校舎の隅まで響いていく、ええいもう一度だ! ハルヒどこだー! 再び響き渡る声に、返ってくる返事はなかった。 「……これは、盲点でした。確かに大声で呼べば早いですよね」 でもダメみたいだな、もう遠くに行ってしまってるのか? 「いえ。涼宮さんの反応がここで感じられる以上、少なくとも学校の敷地内に居る筈です」 なるほど ↓ 1 もう少しここで呼びかけてみるか 2 二手に別れて探しに行こう 3 僕となるべく離れないでください。神人が出現した時に僕が居なければ危険です。 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 17 01 20.54 ID neBvtuvmO 2 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 17 12 29.31 ID uEJYG+Qk0 なるほど、二手に別れて探しに行こう。ハルヒが学校から出てしまったら探しきれなくなる。 「了解です。何かあったら古典的ですが大声を出してください、すぐに駆けつけます」 ああ、その時は頼むぜ。 とりあえず古泉はまず部室棟を探し、終わったら本館の上階を。俺は本館の1,2階を探す事になった。 静かな本館の中、俺の歩く足音だけが廊下に響く。 途中までハルヒ出て来いよーなどと叫んでいた俺だが、今はそれにも疲れ、とにかく教室という教室を順番に 調べて回っていた。 ハルヒが何故出てこないのか? まあ理由は色々考えられる。 例えば、あいつがこの世界で寝ているとか気を失っているとかそんな理由で俺の声が聞こえなかった。まあ、 これならいいんだ。これなら。 問題なのは、俺の声が聞こえたけど出てこなかった……つまり理由はわからないが俺達から逃げていたら? そうなったらちょっと厳しいかくれんぼになるぞ、なんせ範囲は無制限なんだ、。 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 17 20 14.76 ID uEJYG+Qk0 職員室を見た後、1階の各教室を順番に回ってきたが成果0。古泉の声も聞こえてはこない。 いったいハルヒは何処にいるんだ? とりあえず足は止めないが、俺はあいつが行きそうな場所を考えてみる事にした。 あいつが一人で行きそうな場所か……あ、そういえば校舎内をくまなく探した事があるって前に言ってたな。 それだけで全ての場所が候補になるってのはきついぜ。 でもまあ予測だけでも立てるとすれば、だ。 ↓ 1 あいつは屋上で何か投げてなかったか? 2 プールのふちに立ってるのを見た事がある気がする。 3 あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(コネチカット州):2008/09/14(日) 17 25 59.37 ID neBvtuvmO 3 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 18 21 06.58 ID uEJYG+Qk0 あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。 1,2階の捜索を終えていた俺は、とりあえず音楽室へと向かった。 「ねえキョン、なんだかすごい1年生がピアノの演奏してるんだって。見に行かない?」 そう国木田が聞いて来たのは入学式が終わって数週間後の昼休みの事だった。ちなみにそれはハルヒが ありとあらゆる部活に仮入部を繰り返してはどこにも入部しないという意味不明の行動に勤しんでいた時 でもある。 だから俺はそのピアノを弾いてる凄い1年ってのもハルヒの事だろうと思い、行くのを躊躇っていたの だが――あいつがピアノを弾く姿ってのは想像できないな――怖いもの見たさ、って奴だろう。 弁当を食い終えて重くなっていた腰を上げていた。 人だかりのできた音楽室の入口、開いたままの分厚い扉の中から聞こえてくるピアノの音。 俺が人垣の隙間から背を伸ばして見たのは…… あいかわらず上手いな。 俺の言葉と同時にピアノの音が止む。 あの時と同じ音楽室の分厚い扉の向こう、防音になった部屋の中で一心不乱でピアノを弾くハルヒの姿がそこにあった。 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 19 10 49.37 ID uEJYG+Qk0 どうやら見つけたみたいですね。 本館の中を歩いていた時、そのピアノの音は聞こえてきた。それと同時に不安定だった涼宮さんの気配も 一瞬強くなり、また小さくなる。 なるほど、音楽室でしたか。これは盲点でした。 この建物に居る人の気配は僕と彼、そして涼宮さんだけ。となれば涼宮さんと一緒にいるのは彼しかいない。 何とか事態は解決に向かいそうですね――そう思って一息ついた古泉を待っていたかのように、グランドの中央に 神人はその姿を現した。 「……キョン」 どうやら本気で弾いていたらしく、ハルヒの息はあがっている。 なるほどね、気を失っていたのでも俺達から逃げていたのでもない。本当に声が聞こえない所に居たとは 予想外だったよ。 だが見つけたのはいいが、これからどうすればいいんだ? 「ねえ……」 そこまで口にして、ハルヒは黙ってしまった。ただでさえ物音がしない防音室の中に、痛い程の沈黙が広がる。 かといって俺から口を開こうにも、なんて言っていいのかわからないんだが。 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 19 11 29.53 ID uEJYG+Qk0 これは……僕ひとりでは厳しいかもしれません。 グランドの上に現れた神人はサイズは小さいものの全部で3体、通常であれば能力者4人以上で対応するのが セオリー。だが今はそんな事を言っている時間はない、もしも涼宮さんに万一の事があれば文字通り全ては終わって しまうのだから。 赤い光が浸み出して光の球体が体を包み込む。 頼みましたよ? 近くの教室の窓から飛び出した僕は、一番近くに居た神人の左腕を切断しながら舞い上がった。 パサリと何か紙をめくる音がする、見ればハルヒは楽譜を取り換えてピアノの上に置く所だった。 ……さて、何を聴かせてもらえるんだろうね? 壁際に置かれた椅子を一つ取り、ハルヒが見える位置に置いて座ると流れるように音が溢れ出した。 俺にはピアノ曲なんてもののタイトルはわからないが、ハルヒが弾いたのは優しいメロディーだって事はわかる。 その曲に聞き惚れつつハルヒを見てみれば……楽譜の意味あんのか? ハルヒは俺の顔を見ながらピアノを弾いて いた。時折目を伏せたり、また見開いて見つめてきたりと表情を変えるハルヒに合わせるように、曲もまた変化して いく。 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 19 12 09.77 ID uEJYG+Qk0 これは……いったいどういう事なんでしょうね。 神人を引き付けながら空中を浮かんでいた古泉が見たのは、突然静かになった神人達の姿だった。 これまでに数多くの閉鎖空間に入ってきたけれど、こんな事は初めてだ。 驚きつつも念のために距離を置いたまま様子を伺っていると、神人達の光量が緩やかに衰えていきやがてそのまま 消え去ってしまった。 「そんな? ありえない?」 神人は涼宮さんのストレスが無意識の中で実体化した物のはず、それが自然消滅するなんて事があるはずが……。 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都):2008/09/14(日) 19 12 44.86 ID uEJYG+Qk0 ……ん、何か冷たい物が頬に……。 おぼろげな意識の中でそう感じた次の瞬間。 「起きなさい!」 俺の脳天に叩きつけられる何か。衝撃と共に目に入ってくる光景は……。 部室か。 「あんたまだ寝ぼけてるの? 岡部がめちゃくちゃ怒ってるんだからさっさと来なさい!」 座った俺の隣でハルヒが怒鳴ってる……って事は、そう言う事か。 「古泉君は先に行ったわよ。いい、あたしはちゃんと起こしたからね? まったく、古泉君と二人で部室で寝てる なんてあんた達なにしてたのよ?」 そうかい、そいつは悪かった。 でもお前のおでこが赤いのはなんでなんだろうな。 まだ意識ははっきりしないが、なんとなくどうなったかはわかるさ。つまり古泉はハルヒも含めて俺達3人が この部室で寝ていた事にしたって事だろう。そしてハルヒだけを起こしてやれば誤魔化せるって事か。 俺は世界の存続を祝いつつ、力の入らない体に活を入れようと腕をのばした。 あくびをしつつ、ふと気がつく。 ハルヒ。 「何よ。急がないと怒られるだけじゃ済まなくなるわよ?」 お前、何か俺にいたずらしたか? 何か頬が濡れてるみたいなんだが。 急にハルヒが俺に背を向けて扉に向かって走っていく、っておいハルヒ? 「しっ知らない!」 バタン! ……そう言い残してハルヒは部室から出て行ってしまった。 ……なんなんだ? あいつは。 涼宮ハルヒの失踪 終わり その他の作品
https://w.atwiki.jp/gogolf/pages/3043.html
カッパをお気に入りに追加 くちこみリンク1 #blogsearch2 JAWS_260.jpg burner_res.jpg キャッシュ 使い方 サイト名 URL くちこみリンク2 #technorati 報道 東北×クリエイター×カワイイおみやげ大集合【KANEIRI Museum Shop6】|るるぶ&more. - るるぶNEWS ネット社会では国家も企業も個人も確信犯的いい子ぶりっこになる【藤森かよこ】 (2021年12月10日) - エキサイトニュース 衝撃の“かっぱ寿司やんちゃ盛り”がふたたび! まさかの“アレ”が積み積み!カロリーは気にしない!! 「本気寿司シリーズ」“やんちゃ企画”第2弾今度のネタは一体なんだ!? - PR TIMES ジェフ・ベゾス氏による特別記事「いい人材を見抜く方法」(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ダム愛好家、「減勢工」の底で浮かれる 超レアな「開放イベント」に日本各地から見学者集結(全文表示)|Jタウンネット - Jタウンネット 「かわいすぎる!」「すごいアイデア!」と話題沸騰のおにぎりアートがついに単行本化! 『OH! ざわつくおにぎり』本日発売! - PR TIMES 【決算速報】くら寿司、今期営業は黒字浮上へ - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス 室蘭の沖合で漁船乗組員1人が海に転落 海保など捜索続ける|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp かっぱ寿司、自宅で豪華なネタを楽しむ「年末年始 テイクアウトセット」 - グルメ Watch 築150年の古民家から“ミイラ”発見!?その意外な正体に「勉強になった!」 - テレビドガッチ オミクロン株で13個目…変異株の名称用ギリシャ文字はあと残り8つ! - ジャーニー 〈時事ニュースで好奇心〉新たなコロナウイルス変異株は「オミクロン株」 → ギリシャ文字って何?(朝日新聞EduA) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース PALACE SKATEBOARDS x Kappa による初のコラボコレクションが発売 - HYPEBEAST かっぱ寿司、脂のり抜群の「冬の寒鰤(かんぶり)祭り」を一足早く食べてみた - グルメ Watch ブランド米「山形県産 はえぬき」のシャリをさらなる高みへ かっぱ寿司“うまい!シャリ”ここに完成 - PR TIMES 【かっぱ寿司も対象】PayPay決済でお得に!「ペイペイジャンボ 一等最大全額戻ってくる!」キャンペーン参加 - PR TIMES 【公式】オミクロン株対応済みを確認 NEW GENE社 抗原検査キット - PR TIMES 紀三井寺公園で「わかやまリレーマラソン パンダRUN」 秋晴れに1200人が力走(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 優勝した辻栄蔵「桐生君が見えていい展開になるかと」/多摩川SG(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース すしネタにお金をかける回転ずしチェーン 2位は「かっぱ寿司」では1位は? - M&A Online ずん飯尾「注目は1号艇の辻選手。料理人だったらいい和食を作りそう」…多摩川・SGチャレンジカップ28日優勝戦(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 妖怪ケンムン実在したのか!〝東スポ探検隊〟徳之島へ急行!!(東スポWeb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【3日間限定】出前館「週末すし祭」好評につき11月も参加! 人気の『賑わいセット』がなんと20%OFFに! ご自宅でもお得に!うまい!かっぱ寿司 - PR TIMES かっぱ寿司の新メニュー! 6貫で330円の「やんちゃ盛り サーモンいくら」(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ジェフ千葉の新ユニフォームは懐かしさ満点! 1993年のデザインをオマージュ、佐藤勇人「本来のジェフのクラブカラーが採用されている」(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース スシロー・くら寿司は四半期2桁増収!かっぱ寿司は減収…明暗分けた要因は - ダイヤモンド・オンライン ユニ以外も素晴らしい!ヴェネツィア、21-22「KAPPAチームウェア」8選 - Qoly Football Web Magazine 「PayPayグルメ」を使って実際にかっぱ寿司でクーポン入手から予約を行ってみた! (2021年11月12日) - エキサイトニュース かっぱ寿司の本気がつまった「本ずわい蟹」商品が7品! 生でも茹でてもうまい!売切御免! かっぱ寿司に冬の味覚“かに”到来!! - PR TIMES 相葉雅紀のカッパ姿にファンが思い出した「アラフェス」での着ぐるみ姿 - アサジョ かっぱ寿司/4~9月は寿司全皿半額実施も営業損失20億円 - 流通ニュース 【オープン記念】『ランドマーク風 サーモンタワー』寿司販売 かっぱ寿司が横浜駅近に登場!「かっぱ寿司 横浜西口 エキニア店」 - PR TIMES かっぱ寿司「牡蠣ととろ市場」開催、蒸し牡蠣はポン酢・ガーリックバターの2種類、カキフライ・天然みなみ鮪大トロ・天然のどぐろ炙りも - 食品産業新聞社 かっぱ寿司の食べ放題「まちがい探し 食べホー」予約開始、チャレンジで100円OFF券プレゼント - 食品産業新聞社 「DiDi Food」に「かっぱ寿司」が加盟 - PR TIMES 妖怪伝説が多い「岩手県」。遠野市に行けば、“カッパ捕獲許可証”が手に入る?/オニすご! とんでもねー!! ニッポンびっくり事典 - ダ・ヴィンチニュース 牡蠣好きにはたまらない!蒸し・天ぷら・フライ さらに天然みなみ鮪大とろまで!こだわりの豪華ネタが勢揃い かっぱ寿司で冬の味覚を先取り! - PR TIMES 飲食店予約サービス「PayPayグルメ」が開始 かっぱ寿司を「PayPayグルメ」で予約するとお会計金額より10%OFFに! - PR TIMES かっぱ寿司 神奈川県内16店舗対象!「かながわPay」総額70億円還元キャンペーン - PR TIMES 「一日中カッパはあまりない」 松山英樹は首位ターン→雨中の練習 - ゴルフダイジェスト・オンライン 【かっぱ寿司×PayPay】お持ち帰り(店頭会計)もOK!最大5%戻ってくる!お得なPayPayクーポン配布中 - PR TIMES 【5日間限定】かっぱ寿司10月後半の食べホーは“うまい!”だけじゃない!? 今回はなぞなぞチャレンジの食べ放題! - PR TIMES カッパと一緒にお祝い!大潟水と森公園20周年記念イベント | ニュース - joetsu.ne.jp ワクチン接種証明アプリ「ワクパス」登録で特典、かっぱ寿司・HIS・APAホテルなどが導入 - 食品産業新聞社 “うまい!かっぱ寿司”に待ったなし!横綱級の旨さ!「うまい!名勝負うにとろ場所」開幕です - PR TIMES 渋野日向子「カッパの皿みたいな“公園芝“に…」逆転V期待も12打差5位に「悔いはないです」【日本女子オープン】(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【かっぱ寿司アプリ会員限定】ワクワクかっぱ寿司! あれもこれも入って550円(税込)!?超・超・超お得すぎる「新特典皿」始まります - PR TIMES 【小学生以下限定】かっぱ寿司に来店(店内飲食・お持ち帰り注文)でワクワク!「プチガチャ」1回無料で回せるよ!! - PR TIMES 「妖怪のまち」仕掛け人 福崎町職員の小川知男さん死去、自殺か - 神戸新聞NEXT うまくなったかっぱ寿司の覚悟を見てください! 生の国産本鮪がほぼ原価!? 沢山食べられると本当に赤字です 衝撃の『国産生本鮪』 一貫110円(税込)! - PR TIMES 赤井英和のプライベートに爆笑、松本人志「カッパやな」 » Lmaga.jp - Lmaga.jp(京阪神エルマガジン社) 「カッパの美脚」長崎県で史上初撮影! スラリと伸びた緑色&足の指には水かきを確認 - 東スポWeb かっぱ寿司 決意の1日! 単なる半額ではない、「寿司全皿半額」の戦略 進化したかっぱ寿司を知っていただきたい、体感していただきたい - PR TIMES 【アプリ会員限定】まいぜんシスターズ×かっぱ寿司 オリジナル限定デザイン全6種類!アクリルキーホルダープレゼントキャンペーン開催 - PR TIMES かっぱ寿司 青森県内2店舗リニューアルオープン! - PR TIMES ミュー・カッパ…警戒すべき変異株は?専門家に聞く - テレビ朝日 食べ放題50人に1人が無料に「カッパ寿司」が攻勢 - M&A Online 【本格ラーメンシリーズ】日本一煮干を追求したあの味をかっぱ寿司で第15弾は一口食べた瞬間“ニボい!”「ラーメン凪」監修 『“すごい”煮干ラーメン』登場 - PR TIMES 【ライブレポート】ユニゾン東阪自主企画で崎山蒼志、カッパマイナス、日食なつこ、黒子首と競演(写真32枚) - 音楽ナタリー 変異ウイルス「イータ株」、入国検疫で18人確認…「カッパ株」も19人 - 読売新聞 「両腕のない競泳選手」14歳・山田美幸を最年少メダリストに導いた 亡き父親の言葉 こうして少女は カッパ になった - PRESIDENT Online カッパの大賞は、この一枚 - 西日本新聞 【WEB・アプリご注文限定】秋もお家で「うまい!かっぱ寿司」 対象のお持ち帰り商品20%OFFキャンペーン開催 - PR TIMES 芦田愛菜、妖怪で好きなのはカッパ「一緒に川遊びできたら楽しいだろうな」 - ニッカンスポーツ お寿司にラーメン、ザンギにデザートまで!!かっぱ寿司で北海道旅行気分をお楽しみください 北海道の海と大地の“うまい!”がどさんこ盛り - PR TIMES 「うまい!かっぱ寿司」を堪能してください!3日間限定!かっぱ寿司アプリ会員限定!店内飲食2割引クーポンを配信 - PR TIMES 天国のパパへ「カッパになったよ」パラ日本勢最年少メダル・山田美幸の一問一答 - 読売新聞 『小林さんちのメイドラゴンS』×かっぱ寿司コラボはいつから? - 電撃オンライン 日本を標的にしたマルバタイジングキャンペーンを確認 偽のWebサイトに注意 - ITmedia 【アプリ会員限定】小林さんちのメイドラゴンS×かっぱ寿司 TVアニメ2期放送開始記念!全6※種類! 限定クリアファイルプレゼントキャンペーン開催 - PR TIMES かっぱ寿司で秋の味覚“秋刀魚”を先取り!三陸産の秋刀魚を「生」「炙り」「蒲焼き」で! - PR TIMES カッパ伝説のある「新潟県立大潟水と森公園」(新潟県上越市)にカッパ像が設置 - にいがた経済新聞 県立大潟水と森公園にカッパ像 開園20周年のイベントも開催! | ニュース - joetsu.ne.jp 『ゆるゲゲ』、新超激レア「ガマ仙人」がピックアップガチャに登場! 新イベント「河童の働き方改革!」も同時開催! - PR TIMES アニメ「さらざんまい」の舞台! かっぱ・合羽・河童が混在する台東区・合羽橋エリアを読み解く(アーバン ライフ メトロ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「かっぱ寿司モレラ岐阜店」グランドオープン! 【オープン記念】本気にぎり実演販売・特別商品先行販売実施! - PR TIMES 親子でかっぱ寿司の裏側を探検しよう!かっぱ寿司 夏の自由研究2021 in愛知県 - PR TIMES 苦境のかっぱ寿司 社長がなぜライバル店のデータ不正入手 - 毎日新聞 - 毎日新聞 お盆はかっぱ寿司のお持ち帰り商品で家族団らん! 『夏限定!うまいネタ盛りセット』が特別価格に - PR TIMES かっぱ寿司の決意 「続・うまい!品質」 “本気シャリ”にふさわしい 一貫一貫を店内で握る! 【寿司屋品質】“本気にぎり”はじめます。 - PR TIMES 「嘘やろそれで散歩行ったんか」母親手作りの“犬のかっぱ”が衝撃的…なぜこの姿に? 投稿者と母親に聞いた - FNNプライムオンライン 「生け捕りで」「皿の水はこぼさない」7ヶ条を守って!? 公式「カッパ捕獲許可証」ネット販売が好調|まいどなニュース - 神戸新聞社 かっぱ寿司で、この夏の思い出を作ろう! 7月は5日間限定!! かっぱ寿司「汗かく夏も食べホー」開催! - PR TIMES いたずらカッパの逸話アニメ化 住民子孫に語り継がれた「詫び証文」、福井県美浜町 - 福井新聞 かっぱ寿司史上初!「最高等級A5ランク」黒毛和牛 【10日間限定】半年かけて開発した “どまんなかネタ”旨みが全開!「黒毛和牛祭り」開催 - PR TIMES バリィさんにも負けない!新SNS映えスポット!まつちカッパって何者? - DO?GO!愛媛 少年忍者・織山尚大が舞台主演 カッパの世界体験「すっげぇたのしかった」 - ニッカンスポーツ うまい!かっぱ寿司”で初夏を迎えましょう!日本のうまい!が味わえる「初夏の国産と天然 旨いネタめぐり」開催 - PR TIMES かっぱ寿司「レンタル回転レーン」サービス開始、1泊3300円で自宅が「ミニかっぱ寿司」に - 食品産業新聞社 Patta x Kappa から黄金期のACミランにオマージュを捧げたジャージーが登場 - HYPEBEAST カッパを信じる丸山桂里奈に緊急記者会見ドッキリ! - テレビドガッチ 豪雨で行方不明の「カッパちゃん」、線路の土砂から9か月ぶり救助 - 読売新聞 Yahoo!ロコからの予約開始 かっぱ寿司でGo To Eatポイントが使える! - PR TIMES 関東人に「かっぱげ!」と言われても、河童の毛の話をしているわけではありません(全文表示)|Jタウンネット - Jタウンネット 『モンハンライズ』ヨツミワドウの 河童 要素に注目!河童を求めて「遠野物語」の舞台へ旅をしてきました【特集】 - インサイド 【かっぱ寿司×PayPay】GW中もOK!お持ち帰り(店頭会計)もOK!10%戻ってくる!超お得なPayPayクーポン配布中 - PR TIMES カッパの贈り物 文字の謎解明 専門家から「間違いない」 敦賀市の寺 - 福井新聞 かっぱ寿司の本気【うまいの研究所】発足!!いつでも揚げたて、サクサク食感「新・天ぷら品質」“うまい!かっぱ寿司” 天ぷらリニューアル! - PR TIMES 伝承のカッパ銅印、何て書いてある? - 福井新聞 まさか妖怪? スーパーで売っていた「カッパ肉」にネット騒然、その正体は...(全文表示)|Jタウンネット - Jタウンネット 成分解析 カッパの72%はカルシウムで出来ています。カッパの12%は陰謀で出来ています。カッパの6%は月の光で出来ています。カッパの5%は毒電波で出来ています。カッパの3%は希望で出来ています。カッパの2%は砂糖で出来ています。 ウィキペディア カッパ 楽天GORAゴルフ場索引 北海道・東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州・沖縄 海外 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ カッパ このページについて このページはカッパのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるカッパに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/yuriharuhi/pages/60.html
「み、みくるちゃん…やっ!」 「こうしてみると涼宮さんも女の子ですね」 放課後のSOS団部室内にて、朝比奈さんに覆いかぶさられているハルヒ 両腕は押さえつけられ身動きが取れないハルヒを見下ろす朝比奈さん 微動だにすら出来ないハルヒをあざ笑うかのように唇を寄せていき押し付けた 「んっ…」 「ふふ、涼宮さんの唇…とても甘いんですね」 「や、やめなさい!みくるちゃんいいかげんにしないと怒るわよ!」 「いまの涼宮さんが怒っても怖くありません、キョン君もいませんし丁度いいですね」 そして再び重ねられる唇 キスから逃れようとハルヒが顔を動かすが朝比奈さんが許すはずもなく… 「んっ…!」 「ふふ、涼宮さん…楽しみましょう」 そしてハルヒの制服に朝比奈さんの手がかかり乱暴気味に引き裂くと…
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4759.html
電気を付けたら部屋が明るくなりました、みたいないつも通りの放課後。俺はいつも通り占領もとい借りられた文芸室に足を運んだ。にしても太陽もたまには休めばいいのにどうしてここ最近晴天続きなんだ。 真夏の太陽を恨みながらドアを開けると、そこにはチューリップの花のように可憐なメイドがのんびりお茶を沸かしてい・・・なかった。 ただ部室の真ん中で怯えた朝比奈さんが団長様に気圧されていた。 ハルヒ「だから答えてちょうだい!どうやって瞬間的に私の前に姿を現せたのよ!?」 みくる「あうあうあうあうあう」 ハルヒはなんで怒っているんだ?いや、というより爆発寸前の太陽ような笑顔だな。それに「不思議を見つけた」みたいな楽しさを感じる・・・まさか。 少し会話(というより恐喝)を思い出そう。朝比奈さんが突然姿を現した、だと。しかもハルヒの目の前で。 俺が頭痛を感じていると古泉が営業スマイルのまま近寄ってきた。 古泉「事態は深刻です」 なら深刻そうな顔をしろ、仮面か? 古泉「これは失礼。しかし涼宮さんの前ではこの顔でなくてはなりません」 そういやそうだったな。ある程度の事情は察したが状況を詳しく説明してくれ。 古泉「僕にもよくわかりません。僕がここに来たころにはすでにああいう感じでした。」 そうかい。とりあえず止めるためにハルヒのところへ行った。 キョン「ハルヒ、何があったか知らんが少し落ち着け」 ハルヒ「あんたは黙ってて!みくるちゃん、教えなさい!」 みくる「・・・」 まあ予想はしていたが相手にされなかったわけだ。馬の耳に念仏とはこのために作られた言葉なんだと感心した。 古泉「まあこんな感じです。僕が止めても無駄でした。」 無意味に近づいてきた役に立たない超能力者を無視し、部室のすみにいる無口な宇宙人の所へ行った。 長門は椅子に座ったまま、相変わらず俺が一生読まなそうなぶ厚い本を読んでいた。俺が話しかけようとした時長門が顔を上げてこちらを見た。 長門「対処法が見つからない。」 実は俺の耳に耳せんを付けていたため聞き間違えました、というわけはなくそのつぶやきをはっきりと聞いた。 長門「現在の涼宮ハルヒの力が今までより強まっている。おそらくとても興味をそそがれる不思議を発見したから。」 ハルヒの声がうるさくて聞き取りづらかったがこんなところか。 キョン「でなんで対処法がないんだ?眠らせて記憶を消せば」 と言いかけて当たり前のように非現実的な事を話す自分に落胆した。 長門「今彼女は朝比奈みくるの不思議について知りたがっている。それを邪魔する事象を物理的にも精神的にも排除する。」 ということは今のあいつにはとんでも能力が効かないということか? 長門「そう」 ん?じゃあなんで朝比奈さんはすぐに暴露しないんだ。その「排除」は「朝比奈さんの暴露への抵抗」には適用されないのか、と珍しく難しいことを思い付いた。 長門「朝比奈みくるは彼女の信頼下にある。ゆえに傷つけるような行動をしたくないのだと思われる。」 暴れん坊将軍も逃げ出すようなこの光景を見てよく言えるな、とは口には出せない。 おや?見つめつづければ吸い込まれそうな長門の眼に、わずかだが懇願の光が見える。まさかな。 とそこへ古泉がまた近寄ってきた。顔が近いぞ離れろ。 古泉「これは失礼。このまま放っておくと未来人について明らかになるのは間違いないでしょう。」 キョン「一応聞いておくが、ハルヒが秘密を知るとどうなるんだ?」 古泉「自覚のない神が覚醒します。」 キョン「わけわからん。」 AAでも張りたいぐらいだ。30文字以内で答えよ。 長門「AAとは何か知らないが、端的にいえば力の暴走。彼女の中の常識が塗り替えられ、世界が彼女の思うがままになる。」 さすが長門、どこぞのイケメンと違い頼りになる。 しかしそれは厄介だな。そんなことができれば本当に世界がSOS団になってしまう。 長門「あなたの心も操作される。」 キョン「まじめに対策しないとまずいことだな。」 さてとあの闘牛をどうにかしないと。いやフクラミのではないぞ。 長門「そうなれば私とあなたが結ばれない。」ボソ 長門が小さい声でなにかをつぶやいた。もう一度確認したら、なんでもない、と返され読書に戻ってしまった。 まあさほど重要なことではなさそうだから、今は事態の鎮静化をしよう。 ふとハルヒ達の方に目をやると みくる「キャアアア!」 キョン「うおおぅ!」 急に朝比奈さんが俺に抱き着いてきた。とうとう愛の告白を受けてしまったか、と妄想を一瞬だけ広げた。一瞬だぞ。 現実に戻ると朝比奈さんが眼に涙をためて、俺に助けを求めてきたことを察する。とそこへ宇宙人からも危惧される人物が作曲中のベートーベンみたいな顔で近寄ってきた。朝比奈さんはあわてて俺の後ろへ移動して震えていた。うーんかわいらしい。 ハルヒ「キョン!そこをどきなさい!」 キョン「絶対断る」 ハルヒ「じゃあ横に移動しなさい!」 ここでからかってみることにした。いや動かないよりマシだろ。 キョン「わかった。」 ハルヒ「わかればよろしい。」 キョン「ほらよ。」 俺は体の向きを変えずに長門の方に移動した。すると朝比奈さんが一緒に移動した。 ハルヒ「み~く~る~ちゃ~ん!」 そして今度はいらいらした顔でどなった。その後も俺を巻き込んで大声を浴びせ続けた。 みくる「キョンくん」 小さな声が後ろから聞こえた。なんですか朝比奈さん。礼なら後でしてください。 みくる「それもありますけど、違います、テヘ。」 と舌をだしてウインクした。効果は抜群だー! とそこにトビラを開ける音がした。 この部屋内には団員が揃っているはずだ。鶴屋さんかな、しかしそれはそれで困るが。 キイイ そこに見えたのは朝比奈さんである。 俺と目があった直後朝比奈さんは弥生人が生きた恐竜に出会ったみたいな顔をしたまま扉を閉めた。ってなんで朝比奈さんが二人いる? みくる「あの時の私だ」 ん?ということはあなたは未来の朝比奈さん? みくる「正確にはえ~と3日後です。なぜここに来るように言われたかわ知らないんです。」 ではせめてこの後起こることはわかりますよね?ハルヒに生返事をしながら、震える小猫の答えを待った。 みくる「私は掃除当番での仕事で遅れて部室に来たんです。で部室に行く途中で鶴屋さんに会いました。」 あながち俺の予想は外れてなかったんだなぐへぇ。 ハルヒ「キョン!私が大人しい内にどきなさい!」 襟首を引っ張っといてよく言えるな。あっ朝比奈さん、俺の服を引っ張るのは嬉しいですが服が伸びてしまいますよ。 なにやら外が暗くなってきた。あれ天気予報じゃ晴天白日のはずだが。 みくる「あっすいません。で私と鶴屋さんで部室に行ったんです。で最初に私が入ろうとしてすぐに気づいたんです。」 襟首にかかる力がふいに消えたからようやく応答できる。 キョン「朝比奈さんがもう一人いることですね。」 みくる「そうです。で私が二人で図書室に行くよう頼んだんです。鶴屋さんは突然のお願いを承諾してくれました。」 ふと止められる気のない目覚まし時計のようなハルヒの声のベクトルが別のほうに向いてることに気づいた。 ハルヒ「今の会話にあった『キカン』て何よ!怪しいわね、電話の内容的に『機関』て書くんでしょ!教えなさい古泉くん!さもないと」 なんか部室のトビラの前で副団長の権利が云々と話を続けているが、それ以前になぜ古泉が新たな犠牲者に?その解答はすぐ隣の椅子から聞こえた。 長門「古泉一樹はおとりになっている。その間に朝比奈みくるから情報を聞き入れて。」 なるほどな、二人ともありがとよ。では朝比奈さん続けてください。 みくる「えーと図書室に着いた頃に黒い雲が雨を降らしました。夕立みたいな感じです。」 言い終わらぬ内に雨が降ってきた。たしかに夕立だな。 だが俺は言葉に表せられない不安がよぎる。この風景はいつぞやの冬の遭難と似ている。 ふと俺は長門を見た。長門は外の雨、いや雲を見上げている。その眼に僅かな不安を感じたのは多分俺だけだ。 みくる「キョンくん。キョンくん!聞いてますか!?」 キョン「すいません、ぼーっとしてました。」 みくる「もう。しばらく図書室で私たちは勉強してました。でも勉強中に未来から指令がきて、すぐに私は鶴屋さんを連れて部室に戻りました。」 朝比奈さんがぷっくりと頬を膨らませている。急所に当たったー!効果は抜群だー! ショックで廃人になりかけた俺に長門が手を引いてきた。両手に花だぜ。 長門「情報統合思念体にアクセスできない。」 キョン「なんだと。」 長門は冗談を言わない奴だ。とすればまさか今の状況は。 長門「冬の遭難時と似ている。私や涼宮ハルヒ、朝比奈みくるは能力を使用できない。」 さっきの予感はこれか。しかも学校でかよ。下手すりゃ一般人に被害が出るじゃねえか。 俺が打開策を考えようとしたところで後ろから猪が襲ってきた。 ハルヒ「なーにみくるちゃんや有希を誘惑してんのよバカキョン!離れなさい!」 いきなり横に突き飛ばすな。ベクトルを操作する力の開発なんて受けてない俺は倒されるがままに朝比奈さんの体に俯せで倒れた。 いてて大丈夫ですか朝比奈さん。て何顔を赤くしてるんです?俺は倒れる直前に手を床の方に突き出して覆いかぶさらないようにしましたよ?ん、なんで床がこんなに柔らかいんだ?・・・て キョン「柔らかい!?ゲフッ!」 あれーおれいまはらをけられたきがするぞ。しかもあさひなさんに。 ハルヒ「いい加減にしなさい!」 キョン「事故だ!過失だ!冤罪だ!」 ハルヒ「過失でも立派な犯罪じゃない!」 それもそうだ。とりあえずハルヒ裁判官に無罪を説得するために腰を上げると そこは部室じゃなかった。山の頂上付近の石をご想像してもらえるとありがたい。妙にゴツイ石や岩が辺りに広がっている。CGではない、その証拠に石を持ち上げてみたが重い。 一瞬で風景が変わっている。WHY? まあ唯一の救いは団員が全員すぐ近くにいることだ。朝比奈さんは倒れたまま、てか気絶してないか? にしてもここはどこだ?いつぞやのかまどうまの時と似ている気がするが。 長門「そう」 いつも通りの長門の反応にほっとした時、ガンッと言う音がすぐ後ろの方で聞こえた。俺は地面から物理法則を無視した物体が湧いてきたか、と考えながら振り返ると そこに赤い装飾をまとった大きめの石を両手で持っている古泉がいた。そしてそのすぐ下の床に倒れているハルヒ。 キョン「古泉!!」 俺は我を忘れて古泉の胸倉を掴み押し倒した。馬乗りになり、奴の顔を殴り飛ばそうとしたところで誰かに腕をつかまれた。顔を上げるとそこには長門がいた。 長門「彼の行動は正しい。」 キョン「友達を石で殴ることが正しいのかよ!」 長門「聞いて。」 長門の眼にほんのわずかだが水の膜ができている。そんな目をしないでくれ。俺は長門の言うことを聞くことにした。 長門「まず涼宮ハルヒに超現象を知覚されてはいけない。これは彼女が認識し興味を持たれてはいけないことを示す。」 つまりこの空間を記憶に残される前に気を失わせる必要があったんだな。 長門「私は古泉一樹に涼宮ハルヒを殴り気絶させるよう指示した。古泉一樹は最初拒絶したが、私の考えを理解したと思われる。指示通りに動いた。」 そうなのか。だが同時に俺は聞かなければならないことができた。 長門「私という個体は、あなたに彼を恨んでほしくないと願う。」 承知した。だがな長門 キョン「石で殴るというのは理解できん。俺たちは部員で友達だ。それに他の二人はともかく長門は人間にはできないことをするのは簡単だろ。」 なんで宇宙的マジックで傷つけずに気を失わせなかった、と言いかけて俺は思い出した。長門は言っていた、冬の遭難の時と似ていると。 長門「私や涼宮ハルヒの能力は今失われている。彼女をおとなしくするには絶好の機会だった。だが同時に穏便な方法で処理できなかった。」 事情は察した。だがこれだけは確認させてくれ。おまえはハルヒを傷つけるのになにも感じなかったか? 俺は立ち上がって長門の顔を凝視した。長門は俺の眼を10秒見つめた後ハルヒの方を向き、電波話以外では滅多に動かない口でたった6文字をつぶやいた。 「ごめんなさい」 俺は長門の両肩に手を置いた。俺の中を安堵と喜びが走り回った。なぜか?長門が人間らしい感情を少しずつだが着実に持ち始めていることに決まっているじゃないか。 長門の顔を見た。若干驚きの顔をしていたが嫌そうな顔をしていなかった。 みくる「ふぁぁ。皆さんおはようございます。」 俺は瞬間的に長門から離れた、いやまた何か誤解を受けるのは嫌だからな。やあ朝比奈さんおはようございます。 みくる「あわわわわ!てなんですか、ここどこですか~!?」 ブーン ずいぶん懐かしいセリフを聞いたが、今はこの状況を打破する方法を考えなければならない。 ブーン 古泉「ようやく落ち着いてもらえたようですね。押し倒された時別の意味で興奮しましたがそれはともかく、いやいやすいません。」 キョン「おまえに謝られてもちっともさっぱり全然お世辞にしか聞こえない、不思議!」 古泉「今のは聞こえなかったことにしておきましょう。とりあえず状況を整理しましょう」 みくる「ひゃあ!涼宮さんが倒れてる!キョンくんキョンく~ん!」 古泉「ここでは異能力を使えない。この空間の創造主は少なくとも涼宮さんではない。なぜなら彼女の意志で作られたのなら、気絶前と気絶後で何かしらの変化が」 みくる「キョンくん!古泉くん!長門さん!」 俺たちは見事にスルースキルを発動しつつ、古泉の話を聞いていた。 ブーン さっきから遠くで聞こえる虫の音がしつこいなあ。 古泉「あなたが僕にうっとおしそうな顔をするのは珍しいですね。どうしたんですか?」 いや珍しいことではないだろ。だが今は違う。 キョン「さっきから虫の音がうるさいんだよ。殺虫剤カモーン。」 古泉「それは変ですね。この空間には人間以外入れないはずですが。」 みくる「なんで皆さん無視するんですか~!私の言うこと聞かないとミンチにしてやりますよ~」 古泉「長門さんは虫の音が聞こえましたか?」 長門「聞こえない。だが向こうに」 みくる「私泣きますよー!」 古泉「聞こえませんか、僕もです。」 キョン「待て長門。今なんて言った?」 長門「聞こえない、と言った。」 違う、そのあとだ。よく聞こえなかった。 長門「向こうに何かいる。」 俺たちは長門の見ている方向を凝視した。そこには 「ブーンブーンブーン」 擬音語を言葉にしたような音を出す、どこかで見た気がするAAが空を飛んでいた。 あれはなんだ、敵か? 古泉「どうもそのようですね。そして同時に倒さなければならないでしょう。」 キョン「だがどうやって倒すんだ?」 ブーンという声が突然大きくなってくるとともにそいつも大きくなってきた。つまり キョン「接近してきてる。みんな逃げろ!」 俺たちはあてもなく走った、俺は倒れているハルヒをおんぶしながら。意識のない人間は重いと聞いたことがあるが、ハルヒは軽かった。 AA「時間の果てまでブーン!」 よくわからないことを叫んだかと思ったら、奴はいつのまにか俺たちの頭上10mにいた。 奴の大きさはこの距離で一般男性の平均身長ぐらいはありそうだ。 長門「あれは生物ではない。」 なぜそんなことがわかる? 長門「今までの経験と言語化できない決定」 無理矢理訳すと『女の勘』ということか。だが生物でないならなんだ。 長門「わからない」 古泉「僕の方にも質問してくださいよ、のけものみたいじゃないですか。」 空気と化した朝比奈さんよりはマシだろうよ。セリフがあるのとセリフすらないのはかなり違うぞ。 古泉「思うに長門さん、あれはゲームの敵と同じようなものではないでしょうか。あれに殺意を感じません。」 キョン「なるほどな。だとするとプログラムに従って動いてるんだな。」 となるとプログラマーがいることになる。だが疑問がある。 キョン「なんでこんなことをするんだ?危害を加えたいならさっさと攻撃すればいいのに。」 古泉「僕にもわかりません。」 言い忘れたが、話している間も俺たちは常に奴の動きを見ている。て誰に言ってんだ俺。 ん?なんかさっきよりも奴が近づいてないか? 古泉「このまま待機してても拉致があきません。少し刺激を与えましょう。」 と言いながら古泉は大きめの石を拾い奴に石を投げ付けたが、奴はその石から逃げるように体を曲げた。そして落下してくる石は俺の眼の前でだんだん大きく キョン「あぶね!古泉気をつけろ!」 長門「彼に石をあてないでもらいたい。」 古泉「すいません二人とも。」 古泉は観音様にお願いするかのように謝罪した。あとで缶コーヒーをおごれ。 古泉「いやです。ですがわかったことがあります。あれは石をあてられたくないようです。みんなで石をあてましょう。」 ほういい度胸してんな、あとで覚えてろ。とりあえず古泉の提案に生返事して、奴に石を当てることにした。 ――あれからおよそ30分―― 結論からいうと、全然当たらない。 長門「あれとの距離はおよそ8m。当たらない距離ではない。」 古泉「ですが当たりません。困ったものです。」 キョン「どっか高台はないのか」 古泉「辺りを見ればわかりますがそんなところはありません。」 おまえはいつでもスマイルだな、奴もそうだが。 古泉「一度あれと話してみたいです。」 長門「あれは生物ではないから有機生命体の言語を理解できるか困難。」 長門、冗談と本気を区別できるようになったら人間として完璧だから頑張れ。 長門「そう。」 俺達は休憩することにした。だがハルヒでないほうの神は俺たちをいじめたいらしい。俺の顔の右5cmを何かが火花を散らしながら正面から通過した。その直後にパーンなんて音がした。まるで花火のような キョン「朝比奈さん!なにやってんですか!?」 気づけば正面約十mの位置で朝比奈さんは鬼のような形相をしていた。しかもロケット花火をセットしていた、オレタチニムケテ。 みくる「ひどいですみんな。私が見えてないかのようにふるまって。グスッ」 キョン「朝比奈さん!別に無視してたわけではないんです!」 古泉「そうですよ。僕たちは空気を見てるんですから。」 キョン「バカヤロウ!んなこと言ったら」 みくる「私なんてどーせ役立たずで雑用係のロリロリメイドでしかないんだ、うわーん!」 朝比奈さんは泣きながら俺たちに向けてロケット花火を打ち続けた。ていうかどこに花火を持ってたんだ?それ以前になぜもっている?。 俺たちはとにかく逃げ回った。朝比奈さんはようしゃなく打ち続けている。 とにかく花火をなんとかしなくては、と考えた時ふと打倒朝比奈さん策を思い付いた。それは石を花火に投げつけ、ひるんだところで朝比奈さんを止める。完璧だろ。 俺は足元に落ちてる石を発射前の花火に向かって投げた。石は花火に当たると、上の方をむいて転んだ。朝比奈さんが方向を直そうと花火に近づいたとき、花火は無意味な方向へ発射された。 古泉「よくやってくれましたキョンくん。」 ん?なんのことだ?今から俺は朝比奈さんを止めに入るのだが。 古泉「えっ、まさか偶然だとは思いませんでした。感服です。」 なんだ、と思い上空を見た、いや正確には地面から8m上の空間を見た。 例の奴が赤く点滅していた。その後粉々に砕けて消えた。そういうことか、俺SUGEEEEEE! 長門「空間が壊れ始めている。この空間から脱出する。」 キョン「力は戻ったのか?」 長門は無言でうなずいた、口の両端をナノ単位で上に向けながら。 長門「今回はあなたのおかげ。私の見込んだ通りの人。」 キョン「俺はそんなすごい人じゃないぞ」 長門「・・・・大好き」 キョン「えっ・・・・」 古泉「とりあえず脱出しましょう。長門さんお願いします。」 長門「・・・KY。わかった。」 なんだこのとてつもなく不安な感じは。なにか重要な問題を忘れたような。まあ気のせいだろ。 長門「△*■Μэ⑲㏄∑¥∴」 キョン「なあ古泉。さっきから聞こえる爆音はなんだ?」 古泉「この付近で火山でも噴火してるのでしょう。」 長門「∂◎#@キョン・古泉・ハルヒ・長門・朝比奈」 朝比奈さん?あっ キョン「長門!ストップ!」 遅かった。俺たちは部室に戻っていた。ハルヒ・長門・古泉・俺は部室の机に隠れるように帰還、朝比奈さんは・・・ 俺は朝比奈さんを止めようとしたがもう遅い。朝比奈さんがセットした花火はいきよいよく放たれ、部室の窓を破っていった。 ――その後――――― ハルヒ「キョン、今日あたし何してた?」 あの後長門が朝比奈さんを眠らせ、情報操作を行った。 ガラスは割れなかったことにし、ハルヒは部室の机でうたた寝していたことにした。 ハルヒの傷も治した。未来の朝比奈さんは時間転移でどこかに行った。なにしに来たんだろう。 部室から出た直後に、今回の事をほとんど知らない朝比奈さんに会った。で今団員全員で帰路についてるわけだ。夕焼けがきれいだな。 キョン「椅子にもたれてグースカ寝てたじゃないか」 ハルヒ「あーもー一生の不覚よ!キョン、今日は夜も部活するわよ!」 冗談じゃない。俺にも休息をだな。 古泉「いいんじゃないですか?このまま放置したら閉鎖空間が発生してしまいます。」 キョン「だまれイエスマン。今日は疲れたんだ。」 ハルヒ「なんで疲れてるのか知らないけどわかったわよ。ところでさ。」 ん、珍しく声を小さくしてどうした?愛の告白なら喜んで受け入れるぞ。 ハルヒ「バカキョン!そんなんじゃないわ!私の頭に傷はない?」 キョン「別にないが。」 顔が真っ赤だぞ、とは言わなかった。 ハルヒ「・・・・・・そうよね、夢よね。」ボソッ キョン「なんか言ったか?」 ハルヒ「別に。」 さてお別れの交差点に入ったので俺たちは解散した。今日は朝比奈さんの黒い部分が見えたからよし。だがそれよりももっと印象に残ったのが 「・・・・大好き」 自分の顔が熱をおびるのがよくわかった。 俺は家に着くとまず顔を洗った。俺が夕飯を待ちわびるべく部屋に戻ったところで、妹が電話の子機を持って追いかけてきた。 キョン「誰からだ?」 妹「長門さーん」 キョン「・・・そうか」 妹「キョンくん顔赤いよーどうしたのー」 俺は妹を部屋の外へ放り投げたのち子機を耳にあてた。 キョン「長門か?」 長門「・・・そう。今から私の家へ来てもらいたい。あなたに今回の事件で聞いてもらいたいことがある。では。」 電話が切れた。さて健全な男子学生ならどう反応したらいいのかね。告白(?)された後に家に呼びだされるという状況に。 ―――数十分後――― 俺は長門の家の前に着いた。恐る恐るインターホンに指を乗せた。家に呼び出されたのはあくまであの件について聞くためだ、俺は自分にそう言い聞かせながらインターホンを押した。 「おーともなーいせかーいにーまーいお」 呼び鈴なのだろう、歌が途切れると長門の声が 「やあこんばんは。2時間ぶりですかね。」 なんで古泉がいるんだ。俺は安堵と残念感を同時に味わいつつ キョン「そう」 と無口な宇宙人のまね事で答えた。 古泉「おそらく僕とあなたの用件は同じはずです。鍵は空いてます、入ってください。」 キョン「なんで開けっ放しなんだよ。」 インターホンが沈黙したのだろう、返答はなかった。 俺はとりあえず中に入って長門達の下へ歩いた。 長門は俺を見ると顔を俯かせた。 長門「座った。」 古泉「長門さん、『座って』ですよ。」 長門「間違えただけ。」 長門は緊張してるのだろうか?珍しい。 俺達3人がONLY ONEインザハウスな机を挟んで腰を下ろすと長門が口を開いた。 長門「今から話すことは情報統合思念体の調査結果である。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない、実際コミュニケーションとは」 キョン「あー長門。知識豊富なのはよくわかってるから今回の事件について教えてくれ。」 長門「そう。キョンが言うなら。」 えっ?長門が俺のことをあだ名で読んだだと。 古泉「顔が赤いですよ?とうとう僕のあなたへの愛に気づいてもらえましたか。」 キョン「断じてそれはないしそっちの趣味も一切さっぱりからっきしないぞ。」 長門「二人とも聞いて。」 長門は全て話した。まずあの空間と物体の作成者は、冬の遭難時の犯人と同じだそうだ。 動機はまさにヒトラーが民主主義を唱えるかのようなものだった。 長門「彼らの目的はない。動機は『退屈』だったから。ただ彼らの言いたいことを我々は完全に解析できていないからなんともいえない。」 前回はハローの代わりに吹雪を降らしてきた。今度は退屈しのぎに数人を異空間射撃ゲームかよ。何考えてんだかさっぱりわからん。 そして朝比奈さんがなぜ未来から来たのか。どうも未来の一組織が情報統合思念体の急進派と手を組んでいたらしい。 長門「涼宮ハルヒにあえて未来人を認識させることで、どのような変化が表れるかを調べていた。朝比奈みくるはその組織に騙されていた。ちなみに今は急進派及びその組織は厳正な処分を下されている。」 朝比奈さんが図書室でされた指令は、急進派が捕まった後正規の組織が指示したもののようだ。 ん?だが疑問が残る。その疑問を代弁するかのように超能力者は言った。 古泉「未来人や急進派はあの頭の愉快な思念体の行動を知らなかったのでしょうか?彼らの目的は彼女の変化の観察ですよね?邪魔が入るとわかってたら計画自体に意味がありません。」 長門「それについては情報統合思念体も困惑している。もしかしたら彼らは未来人にすら認知されない行動力を持っているのかもしれない。」 奴らがその思念体と手を組んで空間に閉じ込められた状況を観察した、という可能性はないのか? 長門「ありえない。あれと会話することも困難であるのに、計画を立てることは不可能。」 キョン「あまりに馬鹿にされる思念体に全俺が泣いた。」 長門「あなたは一人しか・・・ジョーク?」 キョン「よく気づいた。」 ――――その後―――― 古泉「では用も済みました。僕はこれで失礼します。」 古泉は帰った。長門の告白は気になるが俺も帰ることに 長門「・・・・」 帰ろうした俺の腕の裾に小さな力がかかった。振り向くとそこにはハムスターをつまみあげるように裾をつかむ長門が俺の目をじっと見つめていた。そして長門の顔が少し赤い。 俺たちは時間の経つのを忘れたかのように見つめ合った。顔に熱を感じる。ああ今なら認めるぜ、今まで自分の心から逃げてきたからな。 キョン「・・長門。」 長門「・・・有希と呼んで欲しい」 キョン「・・・有・・希」 長門「・・・キョン」 俺はいつのまにか長門を抱きしめていた。長門も俺の腰に腕をまいていた。 おっ長門、いや有希の胸から鼓動をはっきり感じた。こいつは宇宙人なんかじゃない。それに俺は言った、冗談と本気を区別できたら完璧だと。 「おまえは人間と変わらない、いや人間なんだ。」 「・・・異能力をもってるけど、いいの?」 「この世界では当たり前なんだ。気にするな。」 「・・・そう。」 「そうだ。おまえは人間で、俺の『彼女』になるんだ。」 「・・・・なら二つだけ約束して欲しい。」 「なんだ?俺にできることならいいぞ。」 「あなたにしかできない。まず私のことを呼ぶ時『おまえ』ではなく『有希』と呼んで。」 「ああ。」 「もうひとつは・・・私の事を支えて欲しい、いつまでも。」 「もちろんだ!じゃあ俺からも一つ。いつまでも俺を支えてくれ、有希。」 「・・もちろん。」 「有希。大好きだ。」 俺たちは口づけを交わした。 あの後俺はすぐに家に帰った。お互いに何を話せばいいかわからなくなったからだ。今となっては名残惜しい。 ―――次の日―――― 放課後俺たち団員は1+1=2というぐらい当たり前のように部室に集まった。 俺は古泉とスピードをし、朝比奈さんはなぜかナースになっていた。ハルヒいわく、風通しがいいのだそうだ。実際そうらしいので特に異論はなかった。無口な少女はいつものぶ厚い本ではなく、俺でも読めるレベルの恋愛小説を読んでいた。ハルヒ?あいつはいつもの通りだ。 ハルヒ「なんか昨日から変なことを考えるのよね。」 今日ハルヒの様子はずっと変だった。何か考え事をしていたのだ。なんだ、今度は危ない水着を朝比奈さんに着せるつもりか?「風通しがいいのよ」とか言って。 ハルヒ「させたいけど違うわよ!なんか古泉くんに石で殴られた、てのを考えちゃうのよ。まさかそんなことあるわけないとはわかってるんだけど。」 みくる「えっ・・・」 古泉「僕がそんな恐れ多いことをするわけないじゃぎゃッ!」 古泉よ、慌てすぎで舌噛むなんて入れ歯を装備したライオンより滑稽だぞ。 ハルヒ「てなわけで古泉くん。悪いんだけど今日だけ副団長の活動停止を行うわ。帰って。明日からはいつも通りのあたしになるから。」 古泉「・・・わかりました。ではみなさんまた明日お会いしましょう。」 そういやあいつに落とし前をつけるのを忘れていた。明日にしよう。 さて古泉が帰ったから朝比奈さんでも誘ってトランプでも ハルヒ「ちょうどいいわ、キョン!ここらへんではっきりしてもらいましょうか!」 キョン「なにをだ」 ハルヒ「なにって・・その・・・あんたが誰を好きなのかを・・」 そんなことか。見れば朝比奈さんや読者中の少女も俺を見ている。ハルヒには悪いが速答させてもらう。 「俺は有希の彼氏だ。」 ―――完―――
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1076.html
それは何でも無い、普段通りのただの日常の筈だった。 涼宮ハルヒの方舟 ~プロローグ~ 何なんだ?此処は… 白。白。シロ。辺り一面真っ白な世界。 何も無い。何も… 長門、一体俺はどうすればいいんだ? ハルヒ。これもお前の望んだことなのか? なぁ…ハルヒ……… ・第1話 ~夢~ ・第2話 ~ヒーローと目撃~ ・第3話~もう1人~ ・第4話~計画~
https://w.atwiki.jp/latale-emerald/pages/18.html
(●`ω´●)
https://w.atwiki.jp/thplayer/pages/16.html
●旧作コミュニティ(http //com.nicovideo.jp/community/co3717) こちらは2次創作等ファンコミュニティとしても考えられるが ●旧作大会準備コミュニティ http //com.nicovideo.jp/community/co155065